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国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

史記 孝景本紀第十一 大江家国筆

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大東急記念文庫創立70周年記念の展示が五島美術館で年間を通じて開催している。戦時中に関東の私鉄を合併して肥大化した東急電鉄。戦後に分離されて元に戻り、現在の運営域になったが、それでも関東では上位の私鉄となっている。そんな東急が大きかった時代、「大東急」時代に集めたコレクションを収蔵しているのが、大東急記念文庫なのだろう。はたから見れば五島美術館との棲み分けが分かりにくく、展示も五島美術館の間借り感は否めない。なにせ、美術館のとなりに五島昇オーナーが住んでいたのだから、気を使わないわけにはいかない。

さて、70年の記念イヤーなので所有する国宝を順次公開。今回は史記だった。第2展示場の書誌学展に陳列されている。国内にある史記の写本としては現存する最古のもので、最後の部分にきっちり写本した年代がかかれているのが国宝の決め手となった。展示もその部分が見えるようにしている。

この夏から秋にかけて、都内の博物館が漢字をテーマにした展示会を開くので、そのテーマにも乗った展示会で、解説文に同様のものが別の博物館でも展示する旨が告知されていた。このところ、王羲之顔真卿など大陸の書をとりあげた展示会が大賑わいだったが、日本の(かな文化ではなく)漢字文化が再注目される展示となりそうだ。

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。