国宝を観る

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国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

絵因果経 上品蓮臺寺

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※写真は龍谷ミュージアム「開館10周年記念 館蔵品展」で撮影した鎌倉時代の絵因果経の断簡

 

仏教の開祖は釈迦牟尼である。王族の生まれで、生まれてすぐに右手を上に、左手を下に向けて「天上天下唯我独尊」と言ったと語られている。これらの釈迦の伝記を誰でも分かりやすく伝えたのが絵因果経である。絵巻物の元祖にして、字幕付きの動く(動かす)絵本となっている。上に絵解きがあり、下に解説が書いているスタイルで、日本で発展した絵巻物(絵があり横に解説がある)とは少し異なる。

絵因果経の国宝は東京芸術大学所蔵と醍醐寺所蔵、上品蓮臺寺の3つが指定を受けている。東京芸術大学のものには興福伝法の印があり、上品蓮臺寺には薬師寺の印がある。中国には同種のものは残っていないそうで、今は各寺院から流出しているものの伝来したものを大切に保管してきたからこそ、現在の人々の目に触れることができた。

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。