国宝を観る

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国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

華厳宗祖師絵伝 元暁絵 巻下 高山寺

今夏、コロナの影響により東博でスライド開催されたきもの展。この時期に開催予定だった展示会は鳥獣戯画展は来年に持ち越しとなった。鳥獣戯画展の残留思念体、もとい東博の国宝室では華厳宗祖師絵伝が展示されていた。華厳宗の歴史を伝える一大絵巻で、高山寺のお宝である。

京都や奈良など都は戦場となりやすく、焼き討ちなどで多くの寺宝が消失している。その点、高山寺神護寺の近くで京都の山奥にあるので戦火とは無縁である。そのため、高山寺には国宝指定の品々が結構ある。その一つが鳥獣戯画図で、ユニークさで世界中で人気な絵巻物である。一方で華厳宗祖師絵は宗派の歴史を伝える貴重なもので、信徒拡大の重要なツールである。国宝の絵伝因果が釈迦の一生を描いて仏教について伝えているが、こちらは華厳宗のについて描かれている。絵巻物はスライドさせて見ることから、紙芝居的な演出があり、結構派手目に描かれている。来年はぜひこの他の祖師絵を観たい。

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。