埼玉県立歴史と民俗の博物館で慈光寺所有の法華経が公開されていた。この歴史と民俗の博物館は国宝の日本刀2本所有していて、今回見に行った時はレプリカだった。慈光寺経は平成20年から修理が進められて平成27年に大々的に公開された。刀同様に常設ではないので、タイミングが合えば見に行きたい代物だった。
まず、博物館の位置が大宮駅から歩いて20分~30分ぐらいの場所で、氷川神社と一体となっている公園内の北の端にある。歴史博物館なので埼玉県の歴史がよくわかる作りである。各県の同様の施設には行ったことがあるが、海に面しない県なので川の幸と歴史が詳しくあり新鮮だった。
さて、経典だが後鳥羽上皇が太政大臣だった藤原良経の死に際して供養のため、中宮宜秋門院を中心に写経をしたものだ。目録が付いて誰が書写したかが分かることが国宝になった理由のひとつだろう。納めたものだから誰かに読んでもらうために書いたのではないにしても、それぞれ達筆で書かれており装飾も含めて故人を偲び丁寧に仕上げている。書ではウマ下手な字が国宝になっているものもあるが、しっかりしたものを見ると国宝を観たという満足感に浸れる。