国宝を観る

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国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

【平等院】阿弥陀如来坐像

浄土思想には阿弥陀如来がサポート役として必須である。阿弥陀さんが天から人々を救い出すために念仏を唱えて主張するというのが庶民信仰の定番である。そんな阿弥陀様を誰も観たことがない(はず)。しかし、阿弥陀如来と言えば平等院に坐しているものを無意識に想像してします。それは、平安仏師最高峰の定朝が造った仏で、それがデファクトスタンダードとなったためである。

それまでの仏像はどことなく大陸から来た人の雰囲気があり、輸入されたデザインであった。それが、遣唐使の廃止を引き金に国風文化が台頭し、仏像彫刻でも日本オリジナルが求められるようになった。そして権力者たちが喜び、誰もが観ていて心がほっこりする定朝様式が一世を風靡した。藤原氏の権力が定朝ブームを起こしたことは疑いようのない事実である。それに反発する慶派ブームが起こるのは鎌倉時代で、権力が武士の時代になってからだ。権力者が文化の成長も引っ張る。

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。