国宝を観る

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国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

【東博】 金銅柄香炉〈鵲尾形)法隆寺献納

仁和寺展を訪問したその足で法隆寺献納物館にも寄った。明治維新後の廃仏毀釈(檀家制の廃止?)により、仏教界は一気に収益源を失い貧困した。そのため、大寺院では寺宝の数々を天皇家へ献上することでその窮を逃れる恩給を賜った。

その中で2015年に注目されたのが相国寺所蔵だった動植綵絵30幅だろう。若冲の傑作中の傑作で、現在まで寺宝ならば国宝指定されてもおかしくない。そして、法隆寺も寺宝を天皇家に献上していて、その中から帝国博物館へ下賜されたものが、東博法隆寺献納物館で展示されている。十数年前に一度見た切りで今回国宝に興味を持って初めて訪れた。記憶の中では数々の展示があったと思い込んでいたが、小規模の展示館ぐらいの展示だったことに、いかに記憶があいまいで美化されるということを思い知らされた。ただ、昨年秋に法隆寺を訪れているためか、見るものすべて故郷を離れてもの悲しさを感じた。やはり展示物はあるべき場所で見るべきだろう。

ただし、仁和寺展のようにあるべき場所ではいろいろな角度で観れないので、一時的に特別な場所で観る場合は別である。葛井寺の千手観音はスペースも出来ていていて、大いに期待を持たせる演出だったので、ぜひ見てみたい。

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。