国宝を観る

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国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

仁和寺展 千手観音菩薩坐像 葛井寺

 来月、東博で開催される仁和寺展。御室派の寺宝が一堂に会する展示会で、一番の見どころはポスターにも登場している葛井寺の千手官能菩薩坐像である。

後半期からの登場で、約400年ぶりに箱根の山を越える来るそうだ。千手観音像は数多あるが、ほんとうに千手あるのはとても珍しい。普段は大阪の藤井寺の地に安置されていて毎月18日に御開帳があるので、単に見るだけならばそれほど難しいことはない。しかし、お堂内ではじっくり見る環境にないので、今回の展示会は仏像彫刻としてしっかり見ておきたい。

それにしても、どのように運ぶかをテレビ特集でしてほしい。(たぶんすると思う)

 

 

レア ★☆☆

観たい ★☆☆

西国五番 葛井寺(ふじいでら)ホームページ〜大阪|藤井寺|厄除け|安産祈願〜

【東大寺】金剛力士像

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南大門が目立たない理由。それは鎌倉時代の仏像彫刻をけん引した慶派が制作した金剛力士像が鎮座しているからだ。2017年の春は快慶、秋は運慶の展示会が開催され、それぞれ話題となったが、展示会へ行かずとも無料でしかも屋外展示?している立像に会える。極上ボディで筋骨隆々に彫刻された力士像が見栄をきる迫力あるポーズをとっている姿を見た瞬間、普通の人なら南大門のことなど忘れてしまう。彫刻のすばらしさもあるが、大きさに圧倒される。大仏も大きいが、こちらの力士像もとても大きく、見上げて、見とれてしまう。そこに建物の良し悪しなど関係なくなり、正面を観ると金堂が目に入る演出となっている。仏師としての運慶・快慶の名を不動のものにした逸品は現地でしか見ることができないのが残念だ。

【東大寺】南大門

 

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大仏の大きさに圧倒され、金堂の大きさが印象に残らないのと同様に、南大門もかなり大きいが印象に残らない。大門自体は南禅寺東福寺など東大寺以外にもいろいろある。どこの寺院でも大門はそこそこ印象には残るアイテムである。東大寺の場合は廬舎那仏のインパクトもさることながら、金剛力士像のお出迎えが南大門の印象を薄めている。

【東大寺】廬舎那仏坐像

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大は小を兼ねる。大仏は見るからにインパクト大。どの角度にいても大仏が見下ろしているように思え、拝んだことは必ず聞いてもらえそうだ。そこから万人が救いを求め、拝観者を増やす好循環を生むのだろう。美術品というよりも構造物に分類してもよさそうだが、そうもいかないのだろう。

【東大寺】金堂

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東大寺と言えば金堂。大仏を安置している建物で、そのために造られた。ほとんどの見学者が大仏の大きさが印象に残るため、建物の大きさまでは記憶に残らない。現代でこそ、これぐらいの大きさの建物はいくらでもあるが天平時代に見たら、びっくりする以上に恐怖を感じる大きさだろう。いまでも修学旅行や団体客、外国からの観光客が大挙して訪れている。崇拝しているかはともかく、人々を集める魅力があるのは間違いない。

【興福寺】東金堂

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興福寺に行くと一番目に入る建物は東金堂だ。ところが、ほかの建物に比べて装飾がなく記憶に残りにくい。隣に五重塔と仏像を安置している国宝館(食堂跡)があり、正面には南円堂があり、それらに比べると見劣りする。本来は修行の場である伽藍に派手さは必要ないが、信仰の対象としては記憶に残る建物はなくてはならない。その意味で東金堂は修行の場である。

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さて、1年間閉館して耐震工事をおこなっていた国宝館が1月1日から再開される。奈良博の快慶展、東博の運慶展がそれぞれ大盛況だったことを鑑みると、三が日は大勢の客が来そうだ。

【興福寺】北円堂

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北円堂は春と秋の特別公開時に内部を見ることができる。ここでは運慶展でも話題となった無著・世親両菩薩立像が安置される。しかし、主役は弥勒菩薩で四天王像が周りを護り、無著・世親は脇侍的扱いになっている。東博では主役級だったが、北円堂では一体感を味わえる。

国宝拝観者たちの夢、千件越えをいつの間にか達成した。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標が完結した。 次の1100件は果てしなく遠いので、1050件を一区切りにしよう。