国宝を観る

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国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

四季山水図 (山水長巻) 雪舟筆

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山口県防府にある毛利博物館。戦国大名長州藩を率いた名門・毛利家の邸宅と庭園を公開しつつ、所有していた名品を公開している。博物館と言いつつも、邸宅公開が中心。明治政府をけん引した長州藩ではあるが、政治の中心から距離的にある防府の地では豪華な建物は不要。それなりに手の込んだ細工はされているものの、時の権力にもっとも近い貴族の館と思うと質素である。

秋に行われる国宝展では同館所有の4つの国宝すべてを展示。展示のため邸宅の奥の離れの部分を博物館として使用している。第1室は古い造りの建物の延長線上にあり、引き戸で仕切られている程度。展示物も大名なら持っていそうなものが展示棚に陳列されている。

お目当ては奥の近代的な部屋で、廊下を渡って新たに増設されたであろう建物に国宝たちが待っていた。国宝の刀や書もあるが、お目当ては雪舟の絵巻物。水墨画の山水図で横幅は約16メートルにもおよぶ大作となっている。四季の移ろいを書き綴りながら、大陸の雄大さを表現している。増設された建物では山水長巻を一度に広げることができるように、長い陳列棚を設けており、そのすべてを余すことなく堪能できる。2018年は雲谷等顔の模写と並べて陳列していたのでどちらが雪舟の作品か分からなかった思い出があるが、今年は単独での公開だった。切り立った岩の描き方は見た瞬間になにを表現しているのか分からず混乱を引き起こし、人間心理を突いた場面転換となっている。雪舟らしい独特の表現が和様の絵巻物にある文字の役割を果たしているのかもしれない。

国宝は2017年10月3日~11月26日が会期で無事終了した。 この展示会に出ていない800件以上の品々も見ていきたい。