興福寺に行くと一番目に入る建物は東金堂だ。ところが、ほかの建物に比べて装飾がなく記憶に残りにくい。隣に五重塔と仏像を安置している国宝館(食堂跡)があり、正面には南円堂があり、それらに比べると見劣りする。本来は修行の場である伽藍に派手さは必要ないが、信仰の対象としては記憶に残る建物はなくてはならない。その意味で東金堂は修行の場である。
さて、1年間閉館して耐震工事をおこなっていた国宝館が1月1日から再開される。奈良博の快慶展、東博の運慶展がそれぞれ大盛況だったことを鑑みると、三が日は大勢の客が来そうだ。