国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

観音菩薩立像(百済観音像) 法隆寺

昨年の春は改元で大盛り上がりだった。美術館や博物館の展示はお祝いするが如き豪華なラインナップが多かった。とくに東博は平成の10年単位で御物を公開してきた実績から、三の丸尚蔵館所有の名品と国宝・重文クラスの夢のコラボレーションが実現した。

さて、2020年の春はオリンピック・パラリンピックを控えた端境期的な展示が多い。東博法隆寺の名品が東京で見られる「法隆寺金堂壁画と百済観音」と題した展示会となっている。

文化財保護の機運を一気に高めた事件は法隆寺の金堂の消失と金閣寺の消失であることは疑いようがない。過去の写真と現代の技術力をもってすればある程度の再現は可能になった。失われた文化財は元には戻らないし、現状で残っている文化財も展示などをすることで劣化が進んでいる。そこで改めて文化財保護の意義を見直し、世界発へ文化を信するための口火を切るのは法隆寺しかないだろう。日本歴史・文化の幕開けとなる法隆寺を堪能した。(できれば奈良に行って、国宝の建築物群といっしょに見ることがお勧めなのだが、VRでもあれば楽しめるのだが果たして)

https://horyujikondo2020.jp/

毘沙門天・吉祥天・善膩師童子立像 鞍馬寺

ドキッ毘沙門だらけ(一部眷属である藍婆毘藍婆)の展示会が奈良博で行われる。非常にピンポイントな展示内容だが、昨今の仏像ブームに四天王ひとりだけの単独展は受け入れられるのだろうか。このザ・ビシャモンが成功したら、四天王の特別展も企画できそう。個人的には天女展があれば観てみたい。

さて、国宝は東寺の毘沙門立像。各地にお出かけ展示が多く、春秋の特別展でもお目見えする大活躍の八面六臂(彫刻は一面二臂です。念のため)の活躍の天だ。そして、鞍馬寺から遥々奈良までお出ましになる毘沙門天はなかなか山を降りることはない代物。今回の毘沙門サミットともいえる言える企画展だからこそ里に降りることが実現したのかもしれない。毘沙門天35体が集合することはなかなかなく、B(び)S(しゃ)M(もん)35結成の約2か月、会いに行けるうちに行きたい。

 

観たい ★★☆

レア ★☆☆

コラボ ★★★

www.narahaku.go.jp

三十帖冊子 仁和寺

 仁和寺・霊宝館の秋展(9/19-12/6)は「弘法大師が唐から持ち帰った至宝 国宝三十帖冊子」と題して東博の特別展でも長蛇の列ができた三十帖冊子が登場予定。

ちょうど2年前の冬に開催された東博の仁和展では修繕を終えた三十帖冊子がすべて登場した。空海が書写させ、一部は自らも筆を取った冊子は一部失ったので30冊になったのでこの名前で呼ばれている。仁和寺の特別展では毎回点数は少ないながら所有する国宝がお目見えする。春は嵯峨天皇宸翰、夏は孔雀明王仁和寺展で見たものと再会できる予定。

また、今年は春夏秋の特別展内の短い期間ではあるが、国宝仏像で最小の薬師如来坐像も展示。2020年は仁和寺が京都の国宝巡りのチェックポイントのひとつとなる。

浮線綾螺鈿蒔絵手箱 サントリー美術館

2007年に開業した東京ミッドタウン。このほど中に入っているサントリー美術館がリニューアル工事で一時休館となっている。つい最近にオープンしたと思っていたが、13年も経っていたとは。時の流れは非情である。

さて、美術館は5月13日にリニューアルを終えて再開するのだが、その目玉はサントリー美術館が所有する唯一の国宝・浮線綾螺鈿蒔絵手箱である。

蒔絵手箱は2年前の同時期に修繕を終えてお披露目展が開催されたので見に行った。その時の展示は玉手箱がテーマで平安美術工芸品を集めた内容は竜宮城に来た雰囲気を醸し出していた。中世の貴族が保有していたお宝が一堂に会した展示は余りなく、絶景を味わうことができた。浮線綾螺鈿蒔絵手箱は単独の1室が設けられ、じっくりと鑑賞できるように配慮されていた。見るからに美しい箱に詰め込むものも相当な工芸品でなければ釣り合わないので、貴族の見栄の世界の代物だろう。

さて、リニューアル第1弾展は「生活の中の美」をテーマにサントリー美術館保有する品々が展示されることだろう。

落慶 薬師寺東塔 知恩院御影堂

2020年春に京都と奈良で国宝建築の落慶が行われる。

ひとつは薬師寺東塔でハルカス美術館で記念展(2/28-4/19)が開催される。

https://www.aham.jp/exhibition/future/yakushiji/

もう一つは知恩院。こちらは京博の企画展として知恩院の名宝展(2/18-3/22)に開催される。

ともに建築以外でも国宝を多数保有する名寺院。そして、民衆に愛されている寺としても有名だ。薬師寺は写経運動、知恩院は念仏行脚と、厳しい修行とは無縁で誰でもできる仏への道を説いたことで広く信仰を集めている。10年近くの修繕工事を経て完成した建物なので信者でなくても見てみたい。

落慶法要は桜の散った頃(薬師寺が5/1、知恩院が4/13-15)に行われ、新緑のここちよい法要となることだろう。

絹本著色十二天像 京都国立博物館

4/28-6/21に新生した京都市京セラ美術館で京都の国宝展が開催される。文化庁の日本博との共同展示会で、文化庁が所有するなにかしらの文化財がで出品される展示会としても有名。

京都の国宝展と題するだけあって、国宝が出品されるのは間違いない。すでに発表されいるのが十二天像と明月記、東寺の梵天坐像である。これに文化庁所有の京都ゆかりの品(太刀銘久国?経典類?)が加わるのは確実。ゴールデンウィーク開催と絶好の日程であるので久々の京都市美術館を拝観する意味でも行きたい展示会となっている。

千手千眼陀羅尼経残巻(玄昉願経) 京都国立博物館

西国三十三所草創1300年記念を記念して、京都国立博物館で4月11日〜5月31日まで開催される「聖地をたずねて〜西国三十三所の信仰と至宝〜」は国宝・重文クラスの出品が期待できる展示会だ。

まず全国各地に点在している札所・聖地巡礼の元祖が西国三十三所である。その起源は

718年に長谷寺の開基・徳道上人が考案したとされる。1300年という歴史ある順路なので各寺には貴重な文化財も豊富にあり、この展示会だから出る珍しい展示物に期待が高まる(希望は石山寺の国宝を出してほしい)

また、観音霊場の巡礼をするための交通網の整備や各寺院の保安など信仰心を拠り所するインフラ整備を進めた。そこで商人からのお布施も多く集まり、西国三十三所は伽藍が大きなところが多い。以後の即席巡礼地とは違う年季の入ったルートだけはあるので、回ってみると面白い。

国宝は2017年10月3日~11月26日が会期で無事終了した。 この展示会に出ていない800件以上の品々も見ていきたい。