大阪市立美術館で開催されていた日本国宝展の余韻を味わう振り返り最後とする。
リニューアルしたての大阪市立美術館での展示は大満足の環境だった。ショーケースは見やすく、明かりも申し分ない。建物の構造的な問題でメインの部屋で天井が引いことが残念な部分だった。
ほぼ大入りの展示会だけに日々の運用で改善もあった。雪舟の山水長巻は4期で訪れた時は左右から展示を見る人が来て少し混乱していた。6期では規制線を張って導線を一方通行で確保したことで、非常に見やすい展示になっていた。東博が鳥獣戯画展で導入した動く歩道とまではいかないが、人が多く入る展示会では人気の展示物前をスムーズに移動させるかが混雑解消のカギとなる。しかし、相変わらず雪舟作品は人気であったが、昨年の京博で開催された雪舟伝説でももっとじっくり見ることができたので、一見の来客が多かったのだろう。
奈良・京都・大阪で万博開催記念の古美術展示会を開催し、どれも多くの人が来場していた。お笑い以外は文化不毛の地とされる関西において、引き続き芸術展が賑わうことで東京一極集中のメジャー企画展を巡回したくなる地へと変貌させてほしい。