令和の国宝である群馬県綿貫観音山古墳出土品は文化庁が所蔵しているが、保管は群馬県立歴史博物館となっている。綿貫観音山古墳は6世紀の後半に築造されたと推定される古墳である。被葬者は分かっておらず、そのためもあってか未盗掘の古墳から大量の副葬品が見つかった。
古墳は生前の権力を対外的に示すため、より大きくて副葬品などをより豪華に埋葬する。そのため、時代を経て威厳が低下するとともに墓荒らしに合う。有名なものほど盗掘される。
忘れ去られた綿貫観音山古墳には、東日本で古墳の副葬品で最もまとまったものであり、日本国内はもとより大陸との交易で入手した朝鮮半島や中国の同時代史の中でも重要な位置を占める文化財もある。埴輪が18点は見ごたえ十分。古墳時代を知る文化財の量として国宝に相応しい。