国宝を観る

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国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

肥後江田船山古墳出土品 東京国立博物館

先週は古墳時代の遺跡で大発見が相次いだ。熊本城跡から出土の鉄刀は甲子年の銘文が刻まれていて、聖徳太子時代に地方に配られた可能性が高まった。そして、日本最大の円墳である奈良県の富雄丸山古墳では前例ない盾形銅鏡出土した。ニュースでは国宝級とも言われているが、国宝の指定を受けた古墳時代の出土品にはどのようなものがあるのか。

古墳時代のもので国宝指定を受けているのは12件あり、そのうち誉田八幡宮の金銅透彫鞍金具2具分、隅田八幡神社の人物画象鏡、石上神宮の七支刀、日向国西都原古墳出土金銅馬具類は五島美術館が所蔵、群馬県太田市で出土した埴輪武装男子立像(東博所蔵)はそれぞれで指定を受け、残りは出土品を一括で指定を受けている。この一括指定分を見ていきたい。

熊本県西部に位置する船山古墳は5世紀後半から6世紀初めに築造された前方後円墳で、明治時代の発掘で豪華な副葬品が一括して出土した。
 副葬品で有名なのが銀象嵌銘のある大刀で、ほか刀剣や、甲冑などの武器・武具類、金銅製冠帽や沓、金製の耳飾、玉などの装身具、6面の銅鏡、馬具、陶質土器が見つかった。
 大刀の銀象嵌銘は、埼玉県行田市の稲荷山古墳から出土した鉄剣の金象嵌銘とともに、本格的な記録的文章としては日本列島で書かれた最古の例であるため、国宝指定に相応しい。また、熊本の立地から朝鮮半島から輸入されたであろうものが多く、埋葬された人物たちが、日本列島と朝鮮半島との関係において、重要な役割を担っていたことが想像される。日韓の歴史面からも重要な国宝である。

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国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。