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国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

両部大経感得図 藤田美術館蔵

両部大経感得図密教両界曼荼羅図で知られる大日経金剛頂経が伝来した場面を描いた図である。もともとは奈良県天理市にあった内山永久寺にあったもので、明治時代に廃寺となって寺から流出した。

大きさ的には屏風ぐらい。寺では須弥壇の建具であったもので、写真の感得図は裏面に当たる。本来の表面には両界曼荼羅図を描いている。裏だから絵は綺麗に残ったという訳だ。両部大経感得図真言八祖の善無畏と龍孟それぞれの逸話を再現している。ちょうど合わさるように描いている。1136年に制作されたと分かることから、平安絵画の基準作として重要な役割を果たしている。

藤田美術館には重要文化財の快慶作・地蔵菩薩立像など、優れた仏教関係の美術品が揃っている。暗く演出している美術館内で、平安の仏教美術たちを当時と同じようなロウソク揺らぎを再現した光の中で観てみた。

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。