琉球展の目玉展示物である派手な琉球国王尚家関係資料は一部写真撮影がOK。刀剣や細工物に衣類など、王家に伝わる品々は芸術そのもの。
撮影は1室まるごとで、壁には歴代の王様の肖像画がプリントされていて、宝物を見守っている。一番目立つのは王冠。黒色の基本に飾りとして帯状の金糸を縦に這わせて、鋲で止められているのは、サンゴや水晶、金、銀など7種類からなるの玉を鋲で止めている。シックなフォルムとカラフルなアクセントかつ立体的な造形となっている。これも大陸の皇帝や日本の天皇家・将軍家を刺激しないように配慮したものかもしれない。
琉球王朝の衣類では龍が描かれている。ただ、大陸の鋭い龍というよりも、日本のものに近い印象だ。蘇我蕭白ぐらいユニークさはないまでも、若干ではあるが愛嬌を感じる仕上がりとなっている。琉球の温和な気候が龍自身も陽気にさせたのかもしれない。
王朝の贅沢を見た後は発掘されたものや、伝統工芸などが続く。独自の文化を進化させてきた琉球。第二次世界大戦で激戦地となったため、多くの文化財は失われた。琉球を再発見するためにはまだまだ時間が必要だ。