本堂の中心的存在は大きな阿弥陀如来坐像(中尊)とその脇に六体の阿弥陀坐像が並ぶ。本来は計九体となるところ二体は修繕のためお堂を離れていた。それでも七体が座る堂内は金色にあふれ、暗い堂内も派手やかな雰囲気だった。それに加えて、特別公開として重要文化財の吉祥天女像が御開帳。美しさは薬師寺の吉祥天像が二次元で最高なら、立体造形物では浄瑠璃寺のものと言えるぐらいで、阿弥陀と吉祥天のコラボは多幸感にあふれたラインナップとなった。
平安時代後期に流行した西方極楽浄土への往生を願う、浄土信仰。観無量寿経に説かれている9通りの極楽往生の世界を、9体の阿弥陀如来坐像で表現している。これを祀ることで浄土へ導かれる。なので、9体が座る正面には浄土を具現化した池があり、写真のように見えている。あくまでも阿弥陀様は彼岸で観ているのみ。