善光寺は7年ごとに御前立本尊が御開帳される(本尊は絶対秘仏で開帳されない)。昨年がその公開年であったが、コロナで1年延期され、2022年の公開となった。その公開期間はコロナ禍での密を避けるため、4月3日〜6月29日と従来よりも長めに設定。そのためか、御開帳を開始した週に行ったが思ったほどの混雑はなかった。
朝早くに訪れたにも関わらず、山門をくぐると回向柱(写真真ん中の木の柱)には多少の列が出来ていた。この列に並ぶのが苦痛と考えていたが、TVクルーがロケを行っていて、テンション高めのタレントが大声でオープニングを撮影していたのを観賞。その後、打って変って丁寧に観光協会の職員や周りの人に挨拶して回っていた光景がおもしろく、あっという間に柱の前につく。タレントの基本は挨拶と思いながら、柱に手を添えて祈ってしまった。
この柱の前でちょっとした行事?が行われていた。それはスマホによる撮影大会。反省猿のように柱に手をつく姿を撮影するため時間がかかり、列ができる。まるで某のアトラクションの一場面のように考えているのだろう。
柱はあくまでの結縁のためで、本番はここから。三堂(本堂内陣、山門拝観、経蔵拝観)と善光寺史料館、さらに前立本尊参拝・お戒壇巡りがセットのチケットを1200円で購入し本堂内へ。外陣からならタダで拝めるのだが、御前立まで距離が相当ある。セット券でも距離があるものの、肉眼で目視できる距離となっている。重要文化財の御前立本尊は善光寺式阿弥陀三尊像で、特徴は一光三尊形式であるが小さいのでなんとなく分かる程度。絶対秘仏があるため、国宝に指定は難しいが、もし本尊が指定されたら一緒に指定されてもおかしくない。
御前立を見た後は、善行寺名物のお戒壇巡り。コロナでの密対策で、足元にほんのり(ロウソクぐらい)輝LEDライトを設置していた。それでも相当暗く、戒壇巡りの醍醐味を味わえた。
国宝の本堂内部を堪能した後は外観を見るために山門へ。本堂単体だと600円だが、ここまで来たら山門からの眺めも見ておくべき。山門を登った中ほどは装飾もなくこれと言って観るべきものはない。ただ、長野市内を一望できることと、善行寺を上から見下ろせる絶景は最高。現代風に言うならスカイツリーか東京タワー、はたまたあべのハルカスへ登った気持ちになる。