きのくにの名品展は出展されている点数が多いため、普段は常設展示をしているコーナーにも展示が波及していた。時系列に並べられた展示は荘園などの年貢の文書や田畑を検地した地図など、貴族や寺社が領地化すた証明ための中世の資料が展示してあった。
その一角に隅田八幡神社の人物画象鏡が展示されていた。5世紀から6世紀に作られた鏡で、鏡背に48文字の金石文が刻まれている。ここに時代と鏡を作った由緒らしきものが書かれているため歴史的資料になっている。なんとなく漢字ぽい文字で刻まれているので、読めそうなのだが、展示物を見るために列になっていてゆっくりと読むには忍びなく、最初の方だけ見て次の展示へと移ってしまった。できるなら円形に配されているので、手に取って回しながら読んでみたい。この鏡も普段は東博に寄託しているようで、久々の紀州へのお里帰りとなった。