西明寺のある場所は琵琶湖の北東。琵琶湖を中心とすると比叡山と対角線上にある。すぐそばには鈴鹿山脈があり、近江と濃尾地域と接する境目にあたる。地政学的に見るととても重要な位置となる。北陸や美濃・尾張から京へ進行する時には一番最初の入り口となり、西明寺は監視するのに絶好の位置にある。
三重塔は寺院の目印としてはとても目立つ存在で、内装はとても凝った造りだ。柱に曼荼羅や菩薩が描かれており、それ自体が重要文化財に指定されている。
さて、金剛輪寺、百済寺の3山すべてに言えることだが、素晴らしい庭園を有している。これは京から同地まで移動してお泊りになる高貴な方々を出迎えるためで、ホテルの役割を果たしていたからだろう。京でも見ることができない美しさは秋の紅葉時がピークとなっている。秋本番まであと少しの時期だったが、駐車場が半分ぐらい埋まる拝観者が来ていた。この2年間の鬱屈とした気持ちをリフレッシュさせるには最適な場所であった。