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【奈良博三昧】辟邪絵

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奈良博三昧も後半戦に突入。前半が怒涛の国宝ラッシュだったことを思うと、被りもあり少し寂しい。しかし、奈良博でも屈指の人気を誇る辟邪絵が登場するとあっては観に行かない訳にはいかない。

辟邪絵は断簡となって5幅に分かれて保存されている。益田鈍翁の旧蔵品で、茶の席で用いるため床の間にかけるサイズになっている。鍾馗や天刑星などどれをとっても見ごたえのある絵だが、一番のお気に入りは神虫だ。

おどろおどろしい形態で、羽の生えた昆虫がむさぼり食らう様は悪魔的と表現したくなる。しかし、食べているのは悪者で、今風に言えばウイルスの擬人化したもの。朝は3000、夕300と朝方なのが神様らしい。怖いことを口伝や書き物せ伝えるより、絵にして百聞は一見に如かずにした典型例だ。

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。