国宝を観る

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国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

古林清茂墨蹟 月林道号 長福寺

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1964年10月10日。日本は晴天だった。

ある年齢以上の人はもちろん、その後に記録映画やTV映像を観た人、いだてんを観た人など、オリンピックの開会式と言えば快晴の国立競技場を思い出す。最近のオリンピックの開会式はアメリカのTV放送に合わせるためか、昼間の開催とは限らない。スポーツの祭典ならば、やはり青空の下での行進が相応しいと思う。

そんな快晴だった京博のオリュンピア展の国宝出品物で墨蹟もあった。元の名僧・古林清茂の書「月林道号」で、花園天皇の帰依を受けていた月林が元に渡って授かった墨蹟である。月林は古林から法嗣に認められ、皇帝からは大師号を贈られるぐらい評価されていたが、日本に戻って長福寺を開山した。数学オリンピックのように、超人を決める大会にオリンピックと使われることがあるが、月林は禅宗オリンピックの勝者であることは間違いない。

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。