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日本書紀神代巻(吉田本) 京都国立博物館

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京博の1階では雛まつりと人形と、開催時期が少し遅れた日本書紀展が同時に開催されている。

ひな人形で猫か虎かに見間違えそうな犬張子の置物がさりげなく登場する。京都以外で見たことがない独特のフォルムと顔立ちとなっている。伏見人形とともに独特のゆるい雰囲気があり、本物志向のひな人形群にあってほっこりする。

さて、メインは日本書紀展で、昨年の今頃に東博で開催されていた出雲と大和展はもともと日本書紀成立1300年を記念した展示会の一環で、コロナ禍で世の中が一変したため連続性を失ってしまった。

日本書紀の成立期は漢字文化圏のど真ん中で、大陸を意識した歴史書制作に臨んだ時の政権が都合よく書き綴っている。そのため、神代の記述の中には後の研究で否定されたフェイク情報も混じっている。それでも古事記とともに古代を研究するにはなくてはならない書物で、文が明けた貴重な資料であることは間違いない。

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。