東寺百合文書は1967年に京都府が東寺(教王護国寺)から購入したもの。元々は江戸時代初期に加賀藩が百個の桐箱の保存容器と文書を東寺へ寄附したことが始まりだ。
箱には8世紀から18世紀に書かれた約2万5千通が入っている。東寺は寄附を受けて以降も収集を続けた。書の収集目的が学問や研究のために増えたようだ。
社会的な変化により証文(荘園などの権利関係など)は本来の目的として全く役には立たず、廃棄される恐れがあるが、それを収集・保存することで本来の目的ではない、歴史的な研究・学問に用いることで新たな発見に役立てている。公文書の大切さが改めて叫ばれているが、未来のために残すべきものはきっちりと入れ物を作って大切に活用してほしい。