病草紙は原因が比較的分かりやすい目に見える病について描かれている。一方で餓鬼草紙は目に見えない病気(食物の不作も含む)について描かれているのかもしれない。人は病気などの発生への恐怖よりも、先が見えないことへの恐怖の方が危機感を強く感じる。とくに集団で分からない症状が発生した時、人々は思わぬ行動をとることがある。為政者は予期不能の集団行動が一番扱いにくい。
そこで、目に見えぬものは餓鬼による仕業とすることで理解せずともなんとなく分かるように仕立て上げる。餓鬼は信仰によって退散できるとすることで、宗教的な神秘性を生み(何れ)退治できるへと昇華させた。ウイルスを2次元化したと言えなくもない。恐怖に打ち勝つためには分かりやすい知識が必要なのだ。(プラシーボ効果のように正しいかどうかは問わない)
レア ★☆☆
観たい ★☆☆