国宝を観る

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国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

法華経一品経 慈光寺

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京都の泉屋博古館での「文化財よ、永遠に」を観た感動を再び味わう為、分館での展示会へ出かける。分館は東京・六本木にあり、京都と違い、周りは高層オフィスビルと大使館に囲まれた緑の少なく風情のない場所にある。

展示室は2室のみで東京館などの表記を避けてつけた分館の表現が正しい。スペースは狭いが、展示はなかなかの充実ぶり。鎌倉時代仏画から室町期に渡来した中国朝鮮と水墨画、近大の画家たち、池大雅円山応挙の名画が並ぶ。そのどれもが修理されたもので、修理前の解説がなければどこを修理したか分からない仕上がり。

国宝は慈光寺の法華経一品経と無量義経。慈光寺の経典は埼玉県立歴史と民俗の博物館で公開されたり、奈良博にも出品されたり、よく見かける。修理を終えたことで、展示が可能となったことが大きいのだろう。今回もその一つが公開。第1展示室の奥に展示しているが、周りが仏画水墨画に比べると地味。最初の金泥装飾は見応えがあるものの、書自体に派手さがないため、そのまま素通りされていた。総合展での書の見せ方は難しい。

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。