大徳寺の塔頭寺院、聚光院にある襖絵。数年前に聚光院で狩野永徳筆の福間絵を公開したことがある。寺院自体の公開もほとんどない中で、すべて本物をはめ込んだもので、当分見ることができない企画だった。
そんな特別な公開イベントではなく、襖絵のみの公開についてもなかなかない。永徳作品は5月に東博での日本の美で唐獅子と檜図のコラボを観たが、あちらは大きな城にふさわしい仕上がり。一方で花鳥図は寺院内のこじんまりした中で、景観を変えるもので心安らぐ仕上がるとなっている。江戸時代の狩野派は虎や仙人などインパクトのある派手なものか説教くさいものが多いが、この襖は自然な感じが心穏やかにする。