九博は新しく出来た博物館のため、国宝の所有数がほかの国立博物館に比べて少ない。所有しているのは3つ。太刀 銘来国光が東博、栄花物語が文化庁からそれぞれ所有を移管。そして、目玉となる作品として個人蔵だった周茂叔愛蓮図 狩野正信筆を購入した。
狩野正信は狩野派の祖。周茂叔愛蓮図は北宋の故事にならった中国風の画である。湖に舟を浮かべて蓮をめでる風景を描いている。正信の先品は狩野派展などで、全国行脚していることが多く、なかなか九博で見ることがない。しかし、この人がいなかったら豪華絢爛の桃山文化がなかったと思うと、全国行脚も納得である。