平成最後の国宝指定は玉陵である。つい最近ニュースにもなったので記憶新しい。しかし、沖縄初の国宝は琉球国王尚家関係資料である。
沖縄は太平洋戦争の激戦地で島全体が焼け野原になった。なので多くの文化財が失われた。ところが、国王家の末裔である尚家が明治維新後は侯爵として東京へ移り住んだことにより、関係資料の焼失はまぬがれた。ウィキペディアによれば、尚家は沖縄では文化財の永続的保管環境が整っていないと考え、一旦は東京都台東区へ寄贈することなった。しかし、沖縄県の猛烈な反発に合い、沖縄県民の至宝として寄贈を受ける体制を整え、寄贈を受けることとなったそうだ。
大名から転身した多くの貴族が先祖代々の文化財を二束三文で売りさばいた。その事実がある中で、色鮮やかな琉球文化が現地で見ることができるのも尚家が大切に受け継いだからだ。あるべきところにある。これが文化財の一番しっくり場所だ。
ただ、歴史はそうさせない。多くの国宝級の文化財が海外へ流出(海外のものが日本に流入)している。世界遺産ではないが、ワールドワイドな文化財指定制度があれば、日本からなにが選ばれるか想像しただけでワクワクしてくる。