国宝を観る

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国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

吉川史料館 太刀 銘為次 (狐ヶ崎)

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刀が乱舞する京から維新150周年の山口へ。こちらでも国宝の太刀を拝見できる。

吉川家は毛利元就の次男・元春を養子に出して家督を継がせた家柄。小早川家にも三男・隆景を養子に出し、両川家は毛利元就の中国地区統一に大きく貢献した。関ヶ原の合戦の事後処理で大きく領地を減らした毛利家にとって、東軍に通じていた吉川広家の嘆願なくしては現在はなかった。その吉川家の家宝が居城のあった岩国の資料館に残っている。

国宝・狐ヶ﨑の太刀は平安末期から鎌倉初期に作られたとされる備中刀で、華やかさはなく装飾などもそれほど凝っていない武骨な刀である。鹿児島の黎明館で観た国宗と同じように手入れしても年期が見えてしまうぐらい美術品としては魅力はない。ただ、伝わってきた歴史の重みはなにごとにも代えがたいため、国宝指定となるのだろう。

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。