この春、東大寺ミュージアムは一時休館する。メンテナンスもあるが、目的は震災の被災地である東北でのお出かけ展示会を開催するためだ。
そのメインの展示はもちろん誕生釈迦仏立像及び灌仏盤だ。釈迦は仏の道を諭したインド人である。宗教が誕生して広まる過程でいろいろと尾ひれがついて、創始者自身が神格化される。
釈迦は生まれた直後に右を上に、左手を下にして天上天下唯我独尊といったそうである。そんな可愛げのない子供の黄金の像が東大寺にある。花まつりで使われる仏具になるのだが、甘茶をかけるのは憎たらしい口を利く子供を諭すためかもしれない。甘いものが少なかった時代、誕生日に特別な茶の振る舞いは信仰者の喜びとなる。