仁和寺展のオープニングの目玉は「三十帖冊子すべて見せます」だろう。すべて公開は2週間のみ。仁和寺宝物の中でも人気が高いため、人だかりが出来ていた。
空海や橘逸勢など複数の執筆者がいるもので、冊子それぞれの書体が違う。並べて見られることは貴重である。だいたいが空海筆の冊子が展示されていることが多く、1月28日までの全部公開が終わると同展示会でも、選抜されためぼしいもののみの展示となる。
筆の達人と言われている弘法大師こと空海ではあるが、他の専門家が書いた書物と比べると美しさよりも味のある文字であることが分かる。空海は密教思想家の大家であり、地層・土木のスペシャリストであることから、おそらくは頭で考えたことが早すぎて文字が追い付かず草書になるのだろう。
国宝展でもそうであったが、書や絵巻物など平面に並べられたものは人が多いと見づらい。もう少し長い期間、全部公開をしてほしい。ぜひ、空いているナイト延長時間に訪れることをお勧めする。