国宝を観る

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国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

【国宝】雪松図屏風 丸山応挙

等伯の松林図とは対極をなす力強さ。狩野派の描く荒々しい太い幹とは一線を画す繊細さ。太い幹に繊細さを兼ね備えたハイブリット型の松図である。

そもそも松の幹になる部分は下地のままで、なにも描かれていない。風景の基礎となる金泥を塗る段階で幹となる部分を残し、その上に葉っぱや幹の境目などを書き加えて完成させた。残った下地はすべて雪に見える。墨と金泥、下地の3つの要素を見事に計算し尽くして仕上げた二色図の最高傑作である。

また、松林図屏風と雪松図屏風を対面に配置した展示もすばらしい。屏風は大きいので離れて観るため、左右に首を振るだけで対比して楽しめる。

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。