考古
愛媛県には四国では最多の12件の国宝がある。そのうち、8件は大山祇神社が所有し、3件は松山市内の寺社建築となっている。それらは常設で見学が比較的容易であるが、奈良原山経塚で見つかった国宝はこのところ春秋の限定公開のみとなっている。 遺跡から見…
港町・神戸には洋風建築物がよく似合う。 明治初期に外国人居留地となった神戸は明治から大正にかけて港が見渡せる山際に多くの住居が出来た。その名残がある北野・異人館はおしゃれな洋風住宅が建ち並び、異国情緒を味わえる観光名所となっている。 市の中…
縄文のビーナスと仮面の女神は長野県茅野市にある尖石縄文考古館で保管されている。ともに個性的な顔をしているが、体つきはでっぷりとして肉付きの良いまん丸としたものになっている。下半身がどっしりとしており、お相撲さんの人形のようにも見える。 縄文…
八戸や北海道の土偶はたらこ唇で目もはりぼったい形であった。山形県立博物館の土偶は立体的な目鼻口はなく、目と思われる穴が開いている。特徴は胸があり、尻が出ている安産型の女性を思わさる姿をしている。足も溝が切られているがくっついている。 ただ、…
見るからにパッション(情熱)に溢れる芸術は数多くあるが、古代の造作物で熱量が冷めないものは他にない。だろう。 十日町市で発見され、新潟県唯一の国宝である深鉢形土器(火焔型土器)は単なる容器としての鉢として作られたとは思えない斬新なデザインで…
八戸市は青森県の東部にあり、岩手県と県境を交える。青森県内では青森市・弘前市とともに三大都市に数えられる。東北新幹線に停車駅もあり、駅前はそこそこ高層ビルが立ち並んでいる。 土偶のある八戸市埋蔵文化財センター是川縄文館は駅からはバスで数十分…
北海道唯一の国宝は函館市縄文文化交流センターにある土偶。 表情のないたらこ唇顔に、横に肩を伸ばした(腕はない)形状の胴体がつく土偶で、滑空しているように見える。 北海道の入り口にある函館で見つかった土偶は、函館駅から40㎞も離れた臼尻の文化交…
毘沙門天像が奈良へお出ましになった鞍馬寺。国宝はそれだけではない。山奥にある鞍馬寺は古くから修験の場所として活用されてきた。そこには源義経も在籍していた。そして、その修行が人とは思えない鍛え方だったためか、天狗伝説が生まれる。 天狗が住むと…
藤ノ木古墳出土品は法隆寺などを訪問した際、斑鳩町文化財活用センターで大量に見たことがある。普段の常設展示としてはレプリカを陳列しているが、期間限定で本物を展示していた時期があり、観に行った。玉石混交という言葉あるが、出土品には玉金混交のま…
出雲大社にすぐ近くにある島根県立古代出雲歴史博物館には荒神谷遺跡出土品が展示されている。出土した圧倒的な量の銅鐸や銅剣を一度に見ることができる。世の中にこれほどの規模で綺麗に残っていることが奇跡に近く、ほぼそれたの出土品専用の博物館で見る…
これまた藤原道長関連の箱。長元4年(1031)に円仁がかつて書写した如法経を銅筒に納めなおし、横川の如法堂に埋納した。その際、藤原道長の娘、上東門院彰子もこれに結縁して自ら書写した法華経を埋納した経箱である。 箱は銅製鍛造で、隅丸長方形で弁当箱…
小野妹子の子の墓誌。江戸時代に発見された。短冊状の短いものだが、これが見つかったことで、小野家の歴史が確実にあったことが証明された。聖徳太子とは真逆で実在したことが分かり、日本史が明文された動かぬ証拠が目の前で観ることができる貴重な品だ。…
京博三階は陶器と考古のゾーン。陶器は国宝指定が少なく、今回は展示がない。考古は単立の展示什器に六点展示している。 その内、三点が金峯山寺経出土品だ。金箔を貼った経箱は色々な願いを埋めて祈念したもの。少し青銅部分が現れている部分もあるが、概ね…
京都国立博物館でICOM京都大会記念の寄託名品展が開催されている。 一昨年の国宝展と肩を並べるラインナップで開催している。一ヶ月と短いため、入れ替えがないので、みたい国宝はハントしやすい展示会となっている。 藤原道長の経筒は吉野の金剛峯寺から出…
五島美術館が所有する国宝で、少し毛色の違うのものが宮崎県西都原古墳群出土品である。他の所有物はきらびやかな絵巻物や価値のある書など近世以降のもので、古墳の出土品で国宝クラスを所有する私的美術館は珍しい。 展示していたのは馬具装飾で、金箔がか…
家系図が国宝。細工を凝らした紙に書かれた達筆の書でもなかなか国宝にはならないにも関わらず。系統が書かれたものが国宝になっているのはぜひ見なければと丹後郷土資料館へ足を運んだ。 同館で数年に1度の割合で公開される海部氏系図(個人蔵)は平安時代…
玉川近代美術館 今治市の駅からバスで揺られること数十分。四国山脈を目指して南下するにつれて、市街地から田畑へ変わり始めた頃に玉川近代美術館の近くのバス停となり下車する。 本当に美術館があるのかと思うほどのどかな場所だが、この場に似つかわしく…
すでに知られた文化財が国宝へと昇格するのはなんらかの理由が必要だ。しかし、これまで知られていなかった文化財ならその価値だけで国宝へと上り詰めることができる。加茂岩倉遺跡出土銅鐸は96年の掘削工事中に発見された。銅鐸39口と日本最多であることと…
平成の国宝指定でそれまで指定されていない分野が積極的に昇格指定いる。それは土偶などの考古分野である。 昭和の国宝指定は聖徳太子以前のものに関しては、積極的に国宝へと昇格させることはなく、中世以降のいわゆる「文字」文化が確立し、年代が間違いな…
徳川幕府が出した大型造船の禁止令までは、瀬戸内の海賊たちが西日本の海を支配してきた。特に源平盛衰を懸けた12世紀から戦国時代までは戦いの中で、どうしても海を利用することがあった。海運は陸上輸送に比べて圧倒的な速さと物量を運ぶことができるため…
奈良国立博物館は奈良公園の一角にある。ところが、公園がどこからどこまでなのかはわかりにくい。なぜなら公園に整備される以前からある寺社仏閣が多数存在し、境目がない。もともと興福寺の領地だった場所が公園として整備されたためだろう。また、道路を…
年始のイベントでここ最近生中継されるのが西宮神社の福男。十日恵比寿の催事として開催されていたが、大々的なテレビ中継のおけげで、スポーツ的な催しとなっている。朝の開門直後に福男となるべく多くの人々が参道を駆け抜ける風景は1年の始まりが終わり…
国宝のⅠ期を見てきた。例によって3階から降りてくる方式の京都国立博物館。普段から考古分野を展示している部屋には、国宝だらけの土器や土偶、古墳出土品が陳列されていた。 そのなかでひと際人気があったのが深鉢形土器(火焔型土器)だ。岡本太郎ならず…
鞍馬には天狗が住むと言われている。その天狗に教育された(とする)源義経が大活躍する物語は未だに根強い人気だ。そんな神秘な場所である鞍馬で埋めた経が出土したものが出展。奈良時代から平安時代後期頃までのもので、鞍馬寺が古くから修行の場であった…
今回の国宝展には北野天満宮からの出品がない。菅原道真関連では道明寺の寺宝が出品されている。遺品として宝物館で定期的に見ることができる。 レア ★☆☆ 観たい ★☆☆ コラボ ★☆☆ 期間 通期 道明寺天満宮・宝物
以前は出土した地域から中臣氏が被葬者とされていた。しかし、研究が進んで2007年に坂上田村麻呂の墓だと裏付けられた。歴史の教科書に載り、誰もが覚えた人物だがつい最近まで真の墓のありかが分からなかったということが驚き。 レア ★☆☆ 観たい ★☆☆ コ…
球体の容器で骨蔵として使用されていた。球体の表面に被葬者の来歴が書かれていて、飛鳥時代の貴重な資料としても価値が高い。 レア ★☆☆ 観たい ★☆☆ コラボ ★☆☆ 期間 通期 www.kyohaku.go.jp
現存していない寺院の納品物。飛鳥時代に奉納されたもので、状態そのままに盗掘に合わなかった貴重な品である。嵯峨天皇が立ち寄ったとの記述がなければ忘れられた存在のままだったかもしれない。 レア ★☆☆ 観たい ★☆☆ コラボ ★☆☆ 期間 通期www.weblio.jp
宮地嶽中腹に、大規模な石室が発見され、そこには約300点の宝物が発見された。そのうち、十数点が国宝にしていされるぐらい貴重なもので、地下の正倉院と言われる。神社にはその他、大注連縄、大太鼓、大鈴の日本一の大きさのものがある。 レア ★☆☆ 観た…
出雲は神話の地である。神話になるためには何かしらの根拠が必要となる。出雲大社がその根拠であり続けた。ところが1984年に大量の銅剣が発見された。神話ではなく太古の王国の根拠となった。大量青銅器が陳列されるのは圧巻(今回どうなるか)。 レア ★…