国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

彫刻

摩睺羅 妙法院

京博の道を挟んで向かい側にあるのが三十三間堂。京の国宝と言うならば信号を渡って登場するほかないだろう。 レア ★☆☆ 観たい ★☆☆ 通期 tsumugu.yomiuri.co.jp

梵天坐像 東寺

昨年7月に京都市京セラ美術館のリニューアルオープンを記念して企画されていた京の国宝展が京都国立博物館へ場所を移して開催される。66件の国宝が登場するようなので期待しかない展示会となっている。1年待った展示物が徐々に分かりつつあるので、予習…

鑑真和上坐像 唐招提寺

鑑真和上展の目玉であり、キービジュアルとなっている坐像は特別な展示方法となっていた。 1階の入り口から一番奥の独立した部屋。戒律の普及に重要な役割を果たした3名の坐像が静かに展示されていた。一人は弘法大師(空海)坐像。入口から見て右に鎮座して…

伝獅子吼菩薩立像 唐招提寺

京博の1階の展示は特別展のテーマにあった巨大な仏像が出迎えてくれてる。ここ最近は安祥寺の五智如来坐像が不動のセンターとして君臨して、その周りの像が入れ替わって展示が変わっていた。 唐招提寺にも大きな仏像がたくさんあるが、その中で国宝の伝獅子…

薬師如来座像 法隆寺

聖徳太子と法隆寺展の見学ルートは普段の逆になっているので最後のエリアが新館東館となっている。一番広く高さのある部屋は法隆寺の良い所を集めたテーマパークのような配列となっている。法隆寺から借り受けた貴重な品々を明るい空間で目の前で観ることが…

聖徳太子および侍者像 法隆寺

聖徳太子と法隆寺展の目玉展示は聖徳太子および侍者像だ。年に数回、決まった日に公開されるものの奥まった厨子内にあるためじっくり見ることは難しい。今回の展示では背面に壁があるものの、厨子内に比べてじっくりと見ることが出来る。 訪れた時はたまたた…

八大童子立像 運慶作 金剛峯寺

本館で武田信玄関連と仏画をおなか一杯に観賞した後、いよいよ新館へと行く。 高野山の仏像彫刻が屈指の名品揃いである理由の一つが、運慶と快慶の素晴らしい鎌倉彫刻を所有しているからだ。その真骨頂を1部屋ずつで体現した新館は圧巻であった。 まず、快慶…

如意輪観音坐像 観心寺

昨年から続いているコロナ禍は1年経っても同じ状態だ。学習効果がなく、何度もループする対応となっている。1年経ったと言い切れるのは、観心寺の秘仏である如意輪観音坐像の特別公開日である4月17日と18日が来たからである。 今年の特別公開はコロナ対…

向源寺 十一面観音立像

琵琶湖の湖東、長浜を中心とした地域は知られざる観音菩薩が各所に点在している。その魅力を発信していた東京・上野のアンテナ仏像館「観音ハウス」が昨年10月をもって閉館した。アンテナショップは数あれどアンテナ仏像館は聞いたことがない。滋賀でも彦…

薬師如来及び両脇侍像 霊宝館

醍醐寺は僧侶の修行の場で山伏とも縁が深い。境内を抜けた先にある女人堂で入山の受付を済ませて山を登ると千年前の僧侶たちと同じ山岳修行の場まで登ることが出来る。上った先は上醍醐と呼ばれ、国宝や重要文化財クラスの建築物がある。その中心には薬師堂…

聖徳太子および侍者像 法隆寺

聖徳太子は存在していない。歴史研究が進むにつれて新たな学説が提唱され、教科書への記載修正へと発展している。個人的には聖徳太子という存在について、神がいるかいないかに近い論争に思う。 ということで、厩戸皇子(聖徳太子)の遠忌1400年を記念して奈…

塑造十二神将立像 新薬師寺

春日大社より南へ歩くこと十数分。山の辺の道沿いにある新薬師寺は東大寺や興福寺など大寺院が乱立する奈良市内にあって、足しげく通うには少し距離がある。 国宝の十二神将立像のうち伐折羅大将は日本の500円切手のデザインされたこともあり、人気の彫刻と…

鑑真和上坐像 唐招提寺

人物がはっきり分かる彫刻において社会の教科書内に掲載されているもっとも古い像は鑑真だろう。モデルが分からない土偶や聖徳太子や聖武天皇のように絵画形式はあるが、彫刻だと鑑真和上になる。 僧侶にとって戒律がいかに大事かを説くために大陸から日本へ…

八大童子立像 金剛峯寺

高野山の霊宝館が2021年に開館100周年を迎える。それを記念して春から秋にかけて大名宝展が開催される。 目玉は運命作の中でも傑作中の傑作、八大童子立像が期間を通じて展示。超大型特別展示のみに出品される童子像が、年間を通じて見ることができるの…

興正菩薩寿像 西大寺

秋と冬に特別公開される秘仏・愛染明王坐像は30センチほどの小さな躯体にも関わらず憤怒の形相がはっきりと分かる総身真紅の仏像である。愛染堂の主であり、密教修法の中心的な存在である。 愛染明王が仏教的な中心とするならば、西大寺の歴史的な中心は興…

五智如来坐像 安祥寺

京都国立博物館は旧館などの建物が重要文化財に指定されている。もちろん修繕しながら今日まで博物館として利用され続けてきているので、文化財修理展のりっぱな展示物とも言える。 修理展開催中の平成館1階中央部にある彫刻展示室のメインを飾る仏像は、各…

俊乗坊重源上人坐像

働き者の俊乗坊重源上人は今年も12月16日の御開帳があった。同上人は7月5日にも公開があり、展示会があれば地方遠征にも度々連れ回されている像である。 しわだらけのよぼよぼのお爺さんに見える坐像だが、全身からは力強さがにじみ出てオーラを感じる。平家…

良弁僧正坐像

東大寺法華堂で執金剛神立像を観たならば、道を挟んで向いにある四月堂の隣にある開山堂も参拝しておきたい。 開山堂は法華堂(三月堂)と違い普段は開いておらず、12月16日にしか一般に開かれない。開山堂には東大寺初代別当の良弁僧正像が祀られている。東…

執金剛神立像 東大寺

12月16日、東大寺の秘仏特別公開が例年通り行われた。 ただし、コロナ対策を採った上での開催だった。 法華堂(三月堂)の執金剛神立像はいつもの通り、本尊の不空羂索観音立像の真後ろにある厨子を開放して拝観する形だった。ただし、入場までがいつもと違…

弥勒菩薩半跏思惟像 広隆寺

11月22日、広隆寺では毎年、聖徳太子御火焚祭が開催される。聖徳太子の月命日である同日の午後1時から本堂で法要があり、その後、護摩供養が行われ数万本の護摩木が焚き上げられる。そして本堂も開けられ、聖徳太子33歳像が拝むことができる。 しかし、今年…

釈迦三尊像 法隆寺

法隆寺の大講堂奥にある上御堂は毎年11月1日~3日の期間のみ特別公開される。今年はコロナ禍で多くの特別公開や特別行事が中止されていたが、上御堂の公開は無事に行われた。 法隆寺の寺院建築の多くは国宝に指定されているが、上御堂は重要文化財(それでも…

金剛力士立像 東大寺

興福寺で康慶作を見たからにはその後に作られた鎌倉彫刻最高傑作を見ないわけにはいかない。 東大寺の南大門を守護する金剛力士立像は運慶と快慶の作品である。リアルを超えた超リアルで、これまでの仏さまにはなかった筋骨隆々の武人タイプに作られている。…

不空羂索観音菩薩像 興福寺

興福寺 南円堂 10月17日、興福寺の南円堂は年に1回この日のみ御開帳される。2020年10月17日は土曜日であったため、結構な人出が想像できた。そして、コロナの影響で入場規制がかかるのと、法要の12時~14時が入場規制されるという、拝観するに…

木造弘法大師坐像 康勝作 東寺

縁日は人々とご本尊との縁を結ぶ大切な日である。大きな寺院では縁日に市をたてて、お参りに来た参拝者たちの目を楽しませている。東寺の縁日は21日で、多くの露店が並ぶはずだが、コロナの影響で中止。露店がないので、少し寂しいかと思いきや、縁を求める…

木造阿弥陀如来坐像 法界寺

京都市の南のはずれ、宇治へ行く途中にある六地蔵駅からバスで十数分。法界寺は親鸞聖人誕生の地として知られている日野にある。この地は日野家の領地で、鴨長明の住処に選んだ地であった。 日野家は摂関政治により隆盛を極めた藤原北家の一族。その流れを受…

阿弥陀如来坐像 仁和寺

仁和寺の霊宝館と言えば仁和寺初代の阿弥陀如来坐像を見ずして帰れない。2代目が金堂に祀られてからご隠居となり、こちらに移った阿弥陀如来像。毎日の御勤めを眼前で見続けるには文化財的に耐えられないこともあり移られたが、輝きはまだまだ健在。 霊宝館…

薬師如来坐像 仁和寺

疫病退散は国家課題で、解決するための原因が分からなかった昔の人は、仏に祈ることしかできなかった。国家鎮守の寺として多くの寺院が建てられているが、仁和寺もその一つである。 タイミングがよかったのか分からないが、2020年の春・夏・秋と、仁和寺…

渡海文殊群像 安倍文殊院

2014年に東博で行われた国宝展で、目玉展示のひとつであった渡海文殊群像の善財童子立像・仏陀波利立像は安倍文殊院に鎮座している。といっても本当は文殊菩薩の御付きなので、東征の下見に行ったということだろう。 釈迦三尊像では普賢菩薩とともに釈迦如来…

十一面観音菩薩立像 聖林寺

昨年のゴールデンウィークは天皇陛下の即位に伴う祝日などが重なり長期の連休となった。日本全体がお祝いムードだった昨年から一変、今年はがコロナ自粛でどこにも出かけることができない。なので、連休明けに開催されるであろう展示会出品の国宝をピックア…

廬舎那仏像 東大寺

奈良時代から続く国家安寧の法要。まさかネットで誰でも生で見ることができる時代がこんなに早く来るとは思っていなかった。 東大寺の廬舎那仏に疫病退散を祈念する法要は書物では知っていたし、東大寺で事あるごとに法要が行われていたことも分かっていた。…

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。