国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

国宝

伊予国奈良原山経塚出土品

愛媛県には四国では最多の12件の国宝がある。そのうち、8件は大山祇神社が所有し、3件は松山市内の寺社建築となっている。それらは常設で見学が比較的容易であるが、奈良原山経塚で見つかった国宝はこのところ春秋の限定公開のみとなっている。 遺跡から見…

豊楽寺 薬師堂

三密は仏教用語で密教の三業の総称で、手に印を結ぶ身密、口に真言を唱える口密、心に本尊を観念する意密からなる。護摩を焚いて疫病退散を願うのならば三密をもって祈念しなければならない。一方で、現代の三密はというと、密室、密集、密接を避けること。…

桜ヶ丘銅鐸・銅戈群 神戸市立博物館

港町・神戸には洋風建築物がよく似合う。 明治初期に外国人居留地となった神戸は明治から大正にかけて港が見渡せる山際に多くの住居が出来た。その名残がある北野・異人館はおしゃれな洋風住宅が建ち並び、異国情緒を味わえる観光名所となっている。 市の中…

古今和歌集 巻第廿(高野切本) 高知県立高知城歴史博物館

土佐の高知は坂本龍馬で有名だが、古典で土佐と言えば土佐日記。紀貫之が土佐から京へ帰る道中を綴ったもの。国宝となっている2点は前田家伝来のものと、大阪青山歴史文学博物館が所有するものである。 では、高知の国宝はと言うと、山内家伝来の古今和歌集…

赤糸威鎧 白糸威褄取鎧 櫛引八幡宮

ここ3カ月、国宝との出会いのない日々を過ごしていた。緊急事態宣言を受けて県をまたいだ移動自粛となってからはネットサーフィンの一択だった。 ようやく国宝見物の春が到来した。都心部ではまだまだ自粛ムードは拭えない。こんな時こそ「たまに行くなら地…

藤原佐理筆詩懐紙 香川県立ミュージアム

香川県は有名な宗教家を輩出してきた。醍醐寺の開祖で修験道を復活させた理源大師。琵琶湖のほとりにある円城寺を総本山とする天台宗寺門派の祖・円珍。そして、平安時代初期に現れた2大宗教スターのひとりで、高野山を開山した空海だ(もう一人は最澄)。…

東寺百合文書 京都府立京都学・歴彩館

東寺百合文書は1967年に京都府が東寺(教王護国寺)から購入したもの。元々は江戸時代初期に加賀藩が百個の桐箱の保存容器と文書を東寺へ寄附したことが始まりだ。 箱には8世紀から18世紀に書かれた約2万5千通が入っている。東寺は寄附を受けて以降も収集を…

風俗図 彦根市

彦根藩は戦国武将の中で屈指の猛者と言われる井伊直政が初代である。徳川四天王の中で一番若かく、最年長の酒井忠次とは30歳以上の年の差があった。 徳川家康は三方ヶ原の戦いで武田信玄に完膚なきまでに敗北した。のちに武田勝頼の代になり、織田信長の軍勢…

催馬楽譜 徴古館

佐賀県唯一の国宝・催馬楽譜が徴古館で5/25-7/25まで公開される。 薩長土肥として明治維新の勝者であるはずの佐賀藩の肥前ではあるが、存在感が薄い。鍋島家の西洋技術の取り込み速度は江戸末期では群を抜いていた。明治維新でもその成果はいかんなく発揮さ…

土偶 長野県棚畑遺跡出土(縄文のビーナス) 土偶 長野県中ツ原遺跡出土(仮面の女神)

縄文のビーナスと仮面の女神は長野県茅野市にある尖石縄文考古館で保管されている。ともに個性的な顔をしているが、体つきはでっぷりとして肉付きの良いまん丸としたものになっている。下半身がどっしりとしており、お相撲さんの人形のようにも見える。 縄文…

飛青磁花生 油滴天目茶碗 大阪市立東洋陶磁美術館

国宝指定を受けている陶器は14点しかない。そのうちの2点を所有・公開しているのが大阪市立東洋陶磁美術館である。 美術館は大阪市の中心・中之島にあり、陶器専門に展示を行っている。コレクションの原点は戦前から続く総合商社の安宅産業コレクション。事…

周易注疏 周易注疏 文選 礼記正義

足利学校の国宝4点はたまにしか公開されない。市立の施設ではあるものの、室町幕府を開いた足利家の系譜により作られた名門・足利学校なので、おいそれとお宝を公開しない。昨年の公開は改元にちなむもので、なにか契機があれば公開される。ホームページが足…

西ノ前遺跡出土偶(縄文の女神)

八戸や北海道の土偶はたらこ唇で目もはりぼったい形であった。山形県立博物館の土偶は立体的な目鼻口はなく、目と思われる穴が開いている。特徴は胸があり、尻が出ている安産型の女性を思わさる姿をしている。足も溝が切られているがくっついている。 ただ、…

上杉本洛中洛外図屏風 上杉家文書

米沢市立上杉博物館では毎年、春と秋の一定期間、上杉本洛中洛外図屏風を公開する。今年も公開予定だったがコロナの影響で休館してしまい、見ることが叶わないと危惧していた。しかし、博物館の計らいで公開を変更。関東管領上杉謙信展が開催されれば見るこ…

新潟県笹山遺跡出土深鉢形土器 十日町市博物館

見るからにパッション(情熱)に溢れる芸術は数多くあるが、古代の造作物で熱量が冷めないものは他にない。だろう。 十日町市で発見され、新潟県唯一の国宝である深鉢形土器(火焔型土器)は単なる容器としての鉢として作られたとは思えない斬新なデザインで…

色絵雉香炉 石川県立美術館

美術品において運命的なつがいは石川県立美術館で観ることができる。。 野々村仁清の色絵雉香炉は雄雌が一対となって展示されている。展示の仕方もあるのだろうが、一目見て雉なのにおしどり夫婦とはこのことだと直感してしまう。それが何度も訪れて同じ思い…

土偶 青森県風張1遺跡出土 (合掌土偶)

八戸市は青森県の東部にあり、岩手県と県境を交える。青森県内では青森市・弘前市とともに三大都市に数えられる。東北新幹線に停車駅もあり、駅前はそこそこ高層ビルが立ち並んでいる。 土偶のある八戸市埋蔵文化財センター是川縄文館は駅からはバスで数十分…

伊能忠敬関係資料 香取市伊能忠敬記念館

千葉県の香取市佐原で醸造業の家に育った伊能忠敬。50歳で江戸に出るまで佐原にいた。34歳で松島旅行、48歳で伊勢の旅に出たが、なぜか伊勢での旅では緯度・経度の観測を行っている。40歳前後で惑わず天文測量への道が見えていたのかもしれない。 その後、55…

土偶 北海道函館市著保内野遺跡出土 (中空土偶) 函館市縄文文化交流センター

北海道唯一の国宝は函館市縄文文化交流センターにある土偶。 表情のないたらこ唇顔に、横に肩を伸ばした(腕はない)形状の胴体がつく土偶で、滑空しているように見える。 北海道の入り口にある函館で見つかった土偶は、函館駅から40㎞も離れた臼尻の文化交…

慶長遣欧使節関係資料 仙台市博物館

新型コロナウイルスの感染が地域により濃淡がある。おそらくは感染者が少ない地方から徐々に解除されるのだろう。 さて、夏ごろには少しは明るい兆しが見ているだろうから、国宝との出会いも再開できれば喜ばしい。そこで、一度は行きたい地方の国宝所有博物…

十一面観音菩薩立像 聖林寺

昨年のゴールデンウィークは天皇陛下の即位に伴う祝日などが重なり長期の連休となった。日本全体がお祝いムードだった昨年から一変、今年はがコロナ自粛でどこにも出かけることができない。なので、連休明けに開催されるであろう展示会出品の国宝をピックア…

北条貞顕像 金沢文庫

行政からの発表で腑に落ちことがある。クラスターやパンデミックなどカタカナ表記にして、集団感染や感染爆発と日本語で伝える意識が薄い。横文字にすることで初耳となり、危険度が全く分からない。意図的に使っているなら、失策を隠すためな混濁表現を用い…

法華経一品経 観世音菩薩普門品 長谷寺

西国三十三所は観音霊場の巡礼である。なので法華経の観世音菩薩普門品はこの企画にはなくてはならない。 長谷寺は山の上に本堂がある。ただ、そこまでの登廊は急ではあるが屋根のある階段となっている。単なる山登りと違い歴史ある階段と屋根を見つつ登るこ…

興福寺金堂鎮壇具(金銅大盤・銀大盤) 東京国立博物館

興福寺の金堂鎮壇具は東博の常設展示ではおなじみ。毎年なんらかの形で見ている気がする。 明治の廃仏毀釈により、興福寺の財政はひっ迫し五重塔が売り出されたのは有名な話だ。また、五重塔の売り出し価格が相当安かったことを考えると、未来の国宝でも時代…

餓鬼草紙 京都国立博物館

病草紙は原因が比較的分かりやすい目に見える病について描かれている。一方で餓鬼草紙は目に見えない病気(食物の不作も含む)について描かれているのかもしれない。人は病気などの発生への恐怖よりも、先が見えないことへの恐怖の方が危機感を強く感じる。…

病草紙  京都国立博物館

現代の医療では治療が容易な病気でも治療体制と衛生環境が整っていない頃は人々の大きな悩みの種だった。歯痛や眼病、下痢など、ドラックストアーに行けば簡単に治療薬が手に入る今、病草紙を見ると滑稽に思える。ただ、この滑稽さは近代医療が確立する百数…

銅板法華説明図 長谷寺

数々のお経関連の国宝を見ているが、そのほとんどは紙に書かれている。千年以上前に作られた紙にも拘らず綺麗な形で残っている(残っているから国宝なのだが)のは見ていて感動する。 貴重な経典なのだから、紙のように劣化しやすいものでなく、別の形で作っ…

法華経方便品(竹生島経) 東博

竹生島にある宝厳寺は30番札所。平成25年から6年の歳月をかけて、国宝「唐門」及び重要文化財「観音堂」「舟廊下」の保存事業を行っている。本来ならば今年には保存修理作業を終えているはずで、ぜひ再訪したい場所である。 滋賀県は西武グループを作った堤…

粉河寺縁起絵巻 粉河寺

粉河寺縁起絵巻の見た目の特徴は上下の一部分が焼けてしまって失われている。絵を見る分には問題なく、絵巻物としての出来は素晴らしい。ストーリーは西国三十三所の3番札所である粉河寺の始まりと説話が描かれている。 後半の説話部分に出てくる長者は塩川…

宋版一切経のうち摩訶止観 醍醐寺

NHK・BSプレミアの中継で見た今年の醍醐の桜も例年通り美しかった。できれば訪れて見たかったが世相を鑑みると来年の楽しみにすることとした。 さて、このままでは会期を見ぬまま終えてしまいそうな西国三十三所展。醍醐寺からも国宝が出品されている。…

国宝は2017年10月3日~11月26日が会期で無事終了した。 この展示会に出ていない800件以上の品々も見ていきたい。