国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

2022-08-01から1ヶ月間の記事一覧

【東博150年】出山釈迦図・雪景山水図 梁楷筆

足利家は日明貿易を軸に莫大な富を築き上げた。その貿易では大陸からもたらされた文化財も多く輸入された。その中で特に良いものは将軍の御愛用となり、東山御物と呼ばれる一群を形成する。その東山御物となったなかに、梁楷筆の出山釈迦図・雪景山水図があ…

当麻寺 西塔

東塔を後にして、西塔へ向かう。こちらも立て看板でしっかりと案内しているので迷うことはない。塔の手前で、東塔と同じく検温と連絡先を記載して塔へと向かう。 西塔は12年前の公開時、劣化のため基壇に上がることができなかったそうで、修繕を終えた今回…

当麻寺 東塔

当麻寺は4月に訪れたばかり。奈良博の特別展・中将姫と當麻曼荼羅の予習を兼ねていた。今回は復習を兼ねて訪れた。ただ復習だけでは物足りないので、国宝塔で唯一双塔が残っているが、特別展に合わせて初層を開放しているので、それに合わせて行くことにし…

【河内長野の霊地】日月四季山水図屏風 天野山金剛寺

日月四季山水図屏風は2018年に国宝の指定を受けた。金剛寺の特別公開などでたまに公開している。今回の展示会ではキービジュアルにも使われている。展示品の中で美術的なインパクトは一番ある。 屏風は右から春夏秋冬の山脈のうつろいを表し、春夏は日、秋冬…

【河内長野の霊地】剣 附黒漆宝剣拵 天野山金剛寺

国宝に指定された刀の中で、刀身が湾曲しているいわゆる日本刀は数多くある。これは戦後のGHQが価値を全く無視して日本刀=武器として接収したことに対する反動である。古来から現在に至るまで刀は武器であるが、その中には奉納品や来歴を受け継いだ先祖代々…

【河内長野の霊地】延喜式神名帳 天野山金剛寺

奈良時代、大陸と同等に渡り合うため国をどのようにするかを文章化した、いまで言う憲法のようなもの「律令」を制定して統治を始めた。大宝律令が有名だが、大まかな方針は指し示しているだけなので運用面では不十分な部分が多い。そこで、式という細かな部…

【河内長野の霊地】観心寺勘録縁起資財帳 観心寺

2022年夏の京博特別展は河内長野の霊地にスポットを当てた展示会だった。観心寺と金剛寺展といっても差支えがない内容となっている。 展示は2階と1階で完結。3階は関係のない展示であった。ショーケース内にも解説や写真が展示したいたことから、展示…

【東博150年】賢愚経断簡(大聖武) 伝聖武天皇筆

聖武天皇宸筆の伝承があるもので、1行12字前後の堂々とした大字で書写されているものを大聖武と呼ぶ。大聖武は手鏡の最初に貼るものとして、日本の書で最重要とされる。紙が貴重な時代に、大きな文字で書けること自体が高貴にほかならない。のちの禅宗の扁額…

【東博150年】寛平御時后宮歌合(十巻本) 伝宗尊親王筆

近衛家に伝来した十巻本歌合の一部で、その巻第四に含まれているので「十巻本」とも呼ばれる。歌合せは左右1首ずつ組み合わせた短歌の優劣を競う行事。宇多天皇の代に皇太后が主催した歌合せ計200首からなる。 レア★☆☆観たい★☆☆コラボ★☆☆ 公開期間:後期 emu…

【東博150年】延喜式

平安時代中期に律令の施行細則をまとめた法典が延喜式である。全50巻からなるが、古写本は27巻分が現存し、1巻を除く残りすべては平安時代後期に書写された現存最古の写本が国宝となっている。九条家に伝わってきたことから九条家本という。 レア★☆☆観たい★☆…

【東博150年】法華経方便品(竹生島経)

琵琶湖の北の方に浮かぶ竹生島に奉納された経典。もとは法華経8巻がそろっていたと思われるが、現存するのは、方便品の1巻と、宝厳寺に残る折本仕立ての序品の1帖だけけ。湖に囲まれた島への奉納のため、上質な紙に文様を描いた上に写経されている。 レア★☆☆…

【東博150年】円珍贈法印大和尚位並智証大師諡号勅書 小野道風筆

円珍は死後36年目の延長5(927)年に、醍醐天皇から法印大和尚位と智証大師(ちしょうだいしの諡を贈られた。この時の勅書が国宝で、執筆者が三蹟として知られる小野道風ということで、二重の意味で希少性が高い。 レア★☆☆観たい★☆☆コラボ★☆☆ 公開期間:前期…

【東京150年】円珍関係文書

円珍が入唐する前後の関係資料が国宝となっている。8巻あり、自筆の書状のほか、円珍の経歴を示すもの、唐への出発にあたって発行された証明書などがある。日本の僧が大陸に渡った記録としても貴重だが、円珍の書き残した書としても歴史的に価値が高い。 レ…

【中将姫と當麻曼荼羅】綴織當麻曼荼羅 軸内納入文書 當麻寺

国宝の綴織當麻曼荼羅は修繕を終えたとはいえ、かなりボロボロ。大きさもかなり大きいので展示するにはスペース確保や劣化防止など気を使わなければならない。そのため、今回の展示には出品されていなかった。 代わりではないが、国宝附属品として軸内納入文…

【中将姫と當麻曼荼羅】當麻曼荼羅厨子扉 當麻寺

奈良博では貞享本當麻曼荼羅修理完成記念として、中将姫と當麻曼荼羅展を開催している。貞享本當麻曼荼羅は国宝の綴織當麻曼荼羅が朽ちてきたことから、江戸時代初めに新調された曼荼羅である。2018年に国宝の綴織當麻曼荼羅図が修理を終えて公開された…

薬師如来立像 元興寺

奈良国立博物館で開催中の中将姫と當麻曼荼羅を見に行った。展示規模は新西館のみで、4年前に開催された国宝の當麻曼荼羅修復記念・糸のみほとけ展に比べると縮小していた。 この規模縮小で空いた新東館では、はっけん!ほとけさまのかたちと題した企画展が…

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。