国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

2022-07-01から1ヶ月間の記事一覧

多宝塔 金剛三昧院

霊宝館で鎌倉殿の十三人に合わせた展示が開催されていたが、鎌倉殿との縁深い国宝が特別に御開帳していた。 高野山の国宝建築物は金剛峯寺の不動堂と金剛三昧院多宝塔だ。多宝塔は高野山に現存する最古の木造建築物で、高野山の標高が高いため落雷があったり…

宝簡集 金剛峯寺

高野山霊宝館開館100周年だった昨年、年間パスポートを購入して期ごとに楽しむことが出来た。周年展示が終わり、足が遠のく中、パスポートの期限切れを前に霊宝館を訪れた。 展示は鎌倉時代の高野山と題して、NHK大河ドラマに合わせた展示内容となっていた。…

【東博150年】元暦校本万葉集

平安時代に写本された万葉集で有名な5つのうちのひとつ。「桂本」「藍紙本」「金沢本」「天治本」がある中で、歌の数が一番多く収録されている。奥書に元暦元(1184)年に校合したと書かれていることから名づけられた。 紫と藍の飛雲をすき込んだ紙に、万葉…

【東博150年】群書治要

中国・唐時代の631年、太宗の命によって編纂した政治参考書の写本。平安時代中期に唐時代の写本に基づいて書写された現存最古のもの。中国の典籍が色紙に書写されたものはめずらしく、断簡としても重宝された作品。政治の指南書が美術的な価値も付加して作ら…

【東博150年】秋萩帖 伝小野道風筆

草仮名の代表的な作品で、平安書物の代表のひとつ。流れる文字の美しさに加えて、様々な色紙とその仕上げのデザインは断簡状態でも見とれてしまうのに、原形を留めた巻子本として見ることが出来る。 レア★☆☆観たい★☆☆コラボ★☆☆ 公開期間 後期 emuseum.nich.g…

本堂 長弓寺

奈良市内には目移りするぐらい国宝がたくさんあり、多くの観光客や修学旅行生が来る。斑鳩の地や明日香も人気のスポットで、コロナが小康状態となった今を狙って、久方ぶりの観光を楽しむ。 大阪と奈良の境界にある生駒市は大阪への通勤を念頭にベットタウン…

八幡三神坐像 薬師寺

さて、大安寺展も残り1室。寺宝の数々がお目見えしていたが、この部屋には神社のお宝が出品されていた。なんでも空海が大安寺の別当に補されていた頃に神仏習合が進んだそう。その風潮を取り入れ、大安寺は859年に八幡神を勧請し、八幡宮(現・元石清水八幡…

義淵僧正坐像 岡寺

747年の記録、大安寺資財帳によれば、大安寺には887名の僧が居住していたそうだ。大寺院であっただけでなく、多くの名僧たちが大安寺と関りを持っていた。先に出た空海はもちろん、鑑真を日本へ招請するため唐に派遣された普照と栄叡、空海や最澄と交流のあ…

釈迦如来像 神護寺

ゴールデンウィークに登った神護寺。曝涼展はなく、寺宝の数々には会えず仕舞いだった。それに代わってではないが、奈良博の大安寺展のラスト2週間だけ、釈迦如来像(通称は赤釈迦)が展示された。 大安寺は高野山真言宗に所属する。南都七大寺に列せられて…

法華説相図 長谷寺

大安寺展で三宝絵詞と入り口を挟んで反対側に長谷寺の法華説相図が展示されていた。ちょうど長谷寺に行ったところで、奈良博へ寄託されている寺宝がお出まししていた。 法華説相図は銅板に千体の仏像を鋳出・押出などの金工技法によって浮き彫りで表現し、下…

三宝絵詞 東京国立博物館

奈良国立博物館で行われていた大安寺展に行った。 奈良には有名な寺院が多く、大安寺と聞いてもピンとこない。しかし、その昔は南都七大寺院(東大寺・興福寺・元興寺・西大寺・薬師寺・法隆寺(斑鳩にある法隆寺に変わり唐招提寺とする場合あり))のひとつ…

【東博150年】古今和歌集(元永本)

最初の勅撰和歌集。905年に醍醐天皇の命を受け、913年に選定された。撰者は紀友則、紀貫之、凡河内躬恒、壬生忠岑の4人だった。そこで、壬生忠岑が和歌体十種の著作だとされていた時期もあるが現在は疑問視されている。 国宝の古今和歌集は仮名序と20巻すべ…

【東博150年】医心方

国宝の書について、内容もさることながらその文字の芸術的な美しさや、そこに描かれた挿絵、紙質など総合的に優れたものが多くある。紙は貴重なものであるため、それ自体に書かれている時点で高貴な内容ではあるが、そこから一角上を目指すハイクオリティー…

【東博150年】和歌体十種

飽くなき研究はいつの時代もある。日本で生まれた和歌について論じたものが和歌体十種である。平安時代に出来た論で、その内容を美しい藍と紫の飛雲を大ぶりにすき込んだ薄手の鳥の子紙に書き、それ自体が工芸品に仕上げた。和歌を十体に分類してそれぞれに5…

【東博150年】世説新書巻第六残巻

世説新書巻は中国の後漢時代から東晋時代までの名士の逸話を編纂した小説集。国宝の第六残巻は唐時代に書写されたもので、東寺の観智院に伝来したことが知られる。4つに分割された。東博、京博、文化庁及び個人所有となっている。そのすべてが国宝に指定さ…

金堂 仁和寺

寺社には年に1度同じ日にちに必ずお堂が開かれるスペシャルデイが存在することがある。開祖のための記念日や、お祀りする仏神の記念日などだ。東大寺だとお堂の数が多いため2か月1回ぐらいペースでどこかのお堂が開いている。 仁和寺では毎年5月28日が…

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。