国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

2022-05-01から1ヶ月間の記事一覧

五大虚空蔵菩薩像 神護寺

神護寺のゴールデンウィーク恒例、虫干しによる国宝公開は中止となったが、その代わり多宝塔にある五大虚空蔵菩薩像の御開帳が5月3日~5日にあった。例年は5月13日~15日と10月8日~10日のみに公開されるのが、コロナのため、しばらく中止され…

薬師如来立像 神護寺

5月のゴールデンウィークの期間、神護寺では虫干しするため寺宝の数々がお里帰りし、公開されるはずだった。しかし、コロナの終息が見通せないため、中止となった。せっかく、NHK大河ドラマで鎌倉殿を放映されているにも関わらず、伝源頼朝像とご対面するこ…

短刀 銘来国俊 黒川古文化研究所

黒川古文化研究所の展示室はそれほど広くはなく、名品展では余り展示数は多くない。その中で、鈴木其一や渡辺崋山の江戸時代中期の日本画の名品や、伏見天皇宸翰御願文は重要文化財に指定される名品である。 その中で一番の名品は短刀の銘来国俊である。来国…

短刀 朱銘貞宗 本阿花押(名物伏見貞宗) 黒川古文化研究所

国宝の刀を二振所有している黒川古文化研究所で名品展を開催、その展示会で2振とも展示されているというので、現地に見に行った。 黒川古文化研究所は兵庫県西宮市苦楽園にあり、東洋美術を中心に収集している。春と秋の1か月間程度の開館で、常時開いてい…

本坊経庫 東大寺

毎年5月2日、東大寺では聖武天皇祭が南大門横の天皇殿で行われる。聖武天皇は国分・国分尼寺建立の詔を発して、仏教を全国に広めた。その総本山、元締めとして東大寺の元となる寺院を昇格させ、その地にる盧舎那大仏造立を造営させた。東大寺を全国区いや全…

【東博150年】プレス発表

東博 国宝 東京国立博物館のすべてのプレス発表が行われた。事前の案内の通り、東博が所有する国宝すべてを展示する第1章、東博150年を3期に分けて紹介する第2章の2部構成となっている。 東博の歴史イコール日本博物館史といっても過言ではない。その歴史を…

三重塔 浄瑠璃寺

浄土式庭園の此岸にあたる場所にあるのが三重塔。ここには薬師如来が祀られている。 もともとは京都の一条大宮にあったものを1178年に移築した。なかには秘仏の薬師如来像を安置し、十六羅漢の障壁画が描かれている。 本堂が池と同じ高さに建てられているの…

本堂 浄瑠璃寺

浄瑠璃寺は境内の中心、ど真ん中に池があり、その池をはさんで対岸に本堂と三重塔、池の中に弁天社を構える。いわゆる浄土式庭園の典型例で、本堂を彼岸、三重塔を此岸と見立てて配置している。 彼岸、あの世を表現した本堂内には黄金に輝く九体の阿弥陀様が…

阿弥陀如来坐像(九体阿弥陀) 浄瑠璃寺

本堂の中心的存在は大きな阿弥陀如来坐像(中尊)とその脇に六体の阿弥陀坐像が並ぶ。本来は計九体となるところ二体は修繕のためお堂を離れていた。それでも七体が座る堂内は金色にあふれ、暗い堂内も派手やかな雰囲気だった。それに加えて、特別公開として…

【東博150年】白氏詩巻 藤原行成筆

藤原行成は平安時代の貴族で、官位は正二位・権大納言と高い位に収まる実力者である。そればかりか、当代の能書家として小野道風、藤原佐理とともに三跡と讃えられた人物である。 書道家としては小野道風・王羲之を学んで、和様書道を完成させた。のちに世尊…

四天王立像 浄瑠璃寺

木津川市はゴールデンウィーク期間に市内の寺社の特別公開を企画していた。普段公開していない現光寺や大智寺、この機会に回りやすいように海住山寺や蟹満寺など国宝所有寺院も参加していた。この中でメジャーな組み合わせ浄瑠璃寺と岩船寺を回った。 浄瑠璃…

太子堂 鶴林寺

鶴林寺の国宝建築物のもう一つは太子堂だ。聖徳太子薨去1400年記念が各地で行われているが、鶴林寺でも開催している。そのひとつが太子堂の公開である。 太子堂は本堂よりも古い。屋根板に墨書で天永3年(1112年)と分かる書き物が出てきてたためだ。もとも…

本堂 鶴林寺

西の法隆寺とと言われる鶴林寺は兵庫県加古川市にある。聖徳太子と所縁があるため、法隆寺との対比となる。太子との縁だけではなく寺の寺宝も豪華。真新しい宝物館には寺に伝わる寺宝が並べられている。 寺宝の中で一番目立つのは敷地に詰め込まれた建物。お…

東塔/西塔 當麻寺

東塔と西塔は當麻寺の伽藍中心からは少し外れた山側にある。ともに三重塔で、山腹の高台に位置している。双塔伽藍は奈良時代に流行り、両塔が今も残っているものは當麻寺が唯一である。 焼失の危機は1181年にあった。平清盛の命により、平重衡が興福寺、東大…

弥勒仏坐像 當麻寺

2次元である織物が本尊となっている本堂とは打って変って、金堂には立体彫刻物が並ぶ。 国宝は塑造弥勒仏坐像で飛鳥時代の作品。塑像では日本最古のもの。また、周りを囲む四天王像は持国天立像、増長天立像、広目天立像の3体は日本最古の乾漆像で重要文化…

厨子 當麻寺

この寺のご本尊で本堂の中心にある根本曼荼羅(当麻曼荼羅)は織物で作られた曼荼羅で国宝指定なのだが、さすがに傷みが激しく別の物に替えられており本堂にはない。いまは奈良博に寄託されており、この夏の特別展でお出ましになるかもしれない。 そして、そ…

本堂 當麻寺

お練り供養の準備ができた境内では、二十五菩薩が来迎する橋が組まれ、本堂まで続いていた。この上を仮面を被って菩薩に扮した人々が練り歩いていく。 終着点である本堂は本尊である5メートル近くある須弥壇を覆うためけっこう大きい。昭和の解体修理で永暦…

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。