国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

2022-02-01から1ヶ月間の記事一覧

【東博150年】太刀 銘定利

定利は文永年間(1264-1275)に京都四条の綾小路に住んでいたので、綾小路定利と呼ばれている。 鎌倉時代中期に作品。徳川家綱が日光からの帰りに、岩槻藩4代藩主の阿部正春に与え、以降阿部家に伝わった。日清戦争終結後の1895年に、阿部家から明治天皇へ献…

【東博150年】太刀 銘来国光 嘉暦二年二月日

国光は鎌倉時代末期から南北朝時代に活躍した刀工。京都で刀鍛冶を始めた国行を祖とし、国俊、その子となる国光と続く。その一派を来派と呼ぶ。 同刀は銘と年号を1行で書く下し、反りが強く、来派の伝統である直刃の作風を示している。徳川家達から皇太子時…

【東博150年】太刀 銘備前国長船住景光 元享二年五月 日 号小龍景光

東博では定期的に展示される刀。長船派三代目景光は鎌倉時代末期に活躍した刀工。 本作は表の樋の中には倶利伽羅龍が刻まれており、その造形が素晴らしいので見ていて分かりやすい。裏には梵字を浮彫としているそうだが見た記憶がない。刀身の元から龍がのぞ…

地蔵菩薩立像 法隆寺

聖林寺所有の仏像ではないが、大御輪寺から聖林寺へ行き、その後に法隆寺へと移された国宝の地蔵菩薩立像も東博同様に出品されていた。もともとは同じ釜の飯?を共にした立像が東博と奈良博で再会した。 聖林寺展と名を関するため十一面観音が主役になるが、…

十一面観音菩薩立像 聖林寺

昨年の夏前に東博で開催された聖林寺展が奈良博へ巡回した展示会。東博では高さのある特別5室での展示で、国宝十一面観音菩薩立像が際立つ配置で展示されていた。kokuhou.hatenablog.com 奈良博ではさらに東博にあったショーケースが取り外され、むき出しの…

【東博150年】群鳥文兵庫鎖太刀 号上杉太刀・中身 太刀銘一

武器としての刀は実用性を重視してシンプルに作られている。とくに鞘はそれほど重要ではなく、展示場面でもいっしょに飾られていないことが多い。 武器としてではなく、奉納品としての刀はゴージャスに作られ、刀身よりも鞘に目が行く。春日大社が保有する国…

【東博150年】短刀 銘吉光 名物厚藤四郎

吉光は鎌倉時代の京・粟田口派を代表する刀工。通称は藤四郎といい、様々な名物を生み出しており、短刀製造の名手として知られる。相州正宗と並ぶ稀代の名工、豊臣秀吉からは郷義弘を加えて、天下の三名工に数えられた。 国宝は4点指定を受け、徳川美術館所…

【東博150年】太刀 銘長光 号大般若長光

備前の長光の作。大般若と名付けられた謂れは室町時代に銭600貫という高値がついた全600巻ある大般若経にあやかって称するようになった。それぐらい価値のある刀とされた。もと足利家に伝えられたが、三好長慶に渡り織田信長の所有となった。姉川合戦の功…

【東博150年】刀 無銘正宗 名物観世正宗

相模の刀工・正宗の作品。能楽の観世家が所持していたことから「観世正宗」と呼ばれる。ただ、家康が観世家から召し上げて秀忠に渡し、以後は家臣との間で拝領と献上が繰り返された。明治維新後も続き、徳川家から有栖川宮に献上、同家を継いだ高松宮家に伝…

【東博150年】短刀 銘行光

行光は相模の刀工。通称を藤三郎といい、新藤五国光の子とも弟子とも伝え、正宗の父とも養父ともいわれる。 曲線的な乱れ刃で知られる名工・正宗の師匠でありながら、国光の直線的な刃文の直刃を受け継ぐ作風で、刀の変遷を知る貴重な作家となっている。行光…

【東博150年】刀 金象嵌銘城和泉守所持 正宗磨上本阿 相州正宗

正宗は相州の刀工で、鎌倉時代末期に活躍した。 江戸時代初期の刀剣鑑定家、本阿弥光徳が正宗作品であるとお墨付きを与えるために埋忠寿斎が研ぎ上げて金象嵌の銘をほどこした。墨付きではなく、金象付の刀となった。 銘にある城和泉守は城昌茂のことで、武…

【東博150年】太刀 銘助真

助真は備前の刀工で一文字派に属する。備前国福岡に住んでいたことから福岡一文字とも呼ばれる。福岡と言えば、いまだと九州北部・博多がある地域を想像する。この想像は遠からず当たっており、関ケ原の合戦後に黒田家が入封した際にゆかりのある備前国福岡…

【東博150年】太刀 銘長光

国宝を19本も所有する東博は同じ作者の刀をいくつか所有している。名の売れた刀工の作品は武士として誰もほしくなる。そのため恩賞として渡す際に価値の高く、末代までの誉れとして大切に保管される。 長光は備前長船派の隆盛の基礎を築いた刀工として垂涎…

【東博150年】刀 無銘貞宗(名物亀甲貞宗)

東博150周年の国宝展。みどころのひとつとして、東博が所蔵する国宝19本がすべて登場する。一つの展示会で出品される国宝刀数は最大級。それが東博1館に所蔵されているのだからすごい。 さて、個人的には刀自体の見方が全く分からないが、なんとか違いを…

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。