国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

2022-01-01から1ヶ月間の記事一覧

四天王立像(多聞天立像) 浄瑠璃寺

新年の恒例となりつつある京都国立博物館の当年の干支に関する展示。今年は寅年なので、京博のマスコットキャラクター・トラりんのモデルである尾形光琳の竹虎図がメインビジュアルとなっている。琳派の作品は写実的で派手なものが多い。だが、竹虎図はキャ…

【東博150年】舟橋蒔絵硯箱 本阿弥光悦作

本阿弥光悦作の舟橋蒔絵硯箱は蓋の中央部が尖った山型に仕上げた珍しい形の箱になっている。蓋にはたすき状に鉛板を配して橋に見立てアーチ状の演出を作り上げている。書画から工芸までマルチで芸術を紡ぐ本阿弥光悦作ならではの発想豊かな硯箱である。これ…

【東博150年】八橋蒔絵螺鈿硯箱 尾形光琳作

硯箱で国宝指定を受けているのは3件。鶴岡八幡宮所蔵の籬菊螺鈿蒔絵硯箱以外は東博が所蔵している。 古来の中国では文人が書斎で用いる道具のうち、筆、墨、硯、紙の4種を特別視して四宝としてきた。なので、それらを仕舞うための箱は教養の高い図柄である…

【東博150年】片輪車蒔絵螺鈿手箱

片輪車蒔絵螺鈿手箱は平安時代の作品。片輪車螺鈿手箱に比べると派手な箱である。 こちらの作品はパターン化した図案ではなく、手仕事感が残るデザインとなっている。蓋は被せるだけのタイプとなっている。同じ主題のデザインの国宝手箱ではあるが、時代によ…

【東博150年】片輪車螺鈿手箱

国宝の手箱は6件ある。その内2件が東博所有となっている。(そのほかは、畠山記念館の蝶螺鈿蒔絵手箱、サントリー美術館の浮線綾螺鈿蒔絵手箱、三嶋大社の梅蒔絵手箱、出雲大社の秋野鹿蒔絵手箱) 片輪車螺鈿手箱は鎌倉時代の作品で、漆を塗った表面に金粉…

金銅宝相華文磬 瀧谷寺

えちぜん鉄道の三国港駅は東尋坊へ行く一番近い駅である。駅からバスで行けるのだが、もう一つ手前の三国駅からもバスが出ている。国宝の磬を保有する瀧谷寺は三国駅から歩いて10分程度で行くことが出来る。これだけ近いにも関わらず訪問者は少なかった。そ…

梵鐘  劔神社

2024年春の開業を目指して急ピッチで工事が進む北陸新幹線の金沢~敦賀区間。その内で福井~敦賀間で唯一存在する駅の名称が越前たけふに決まった。新幹線開通で、武生の町は盛り上がるはずだ。その人混みが到来する前に国宝を見に行った。 国宝は梵鐘で…

【東博150年】袈裟襷文銅鐸

香川県で出土した銅鐸。神戸市所有の銅鐸に非常に似ている。表面に当時の日常風景としてのピクトグラム風の絵が描かれている。海をまたいで兵庫と香川は近いので、文化的な交流品だったかもしれない。 レア★☆☆観たい★☆☆コラボ★☆☆ emuseum.nich.go.jp

【東博150年】江田船山古墳出土品

銀象嵌銘が彫られた大刀が有名。肥後・熊本県の江田船山で出土した。稲荷山古墳から出土した鉄剣とともに銘が彫られていることで、本格的な記録的文章としては日本列島で書かれた最古の例となる。その他に鏡や勾玉も出土している。 レア★☆☆観たい★☆☆コラボ★☆☆…

【東博150年】埴輪 挂甲の武人

埴輪は東博のマスコットキャラクターになっている。そのため、この企画展では中心的役割を担うこととなるが、普段から展示されているので新鮮味はあまりない。 昭和後期に子供時代を過ごした方なら「おーい!はに丸」を思い起こさせる。この番組の主人公・は…

【東博150年】東大寺山古墳出土品

奈良県天理市の東大寺山古墳で発掘された品。武器や武具類、革製漆塗楯などが多量に出土した。大刀には紀年銘が金象されており、時代の分かる大刀としては日本最古の遺物となる。武具のほかもに埋葬された勾玉や石製品なども数多くの品が発掘されている。 レ…

【東博150年】文祢麻呂墓出土品

江戸時代後期に大和国宇陀郡八滝村で出土した遺跡品。渡来系の武人の墓で「日本書紀」や「続日本紀」にもその名が見られる。有力武将の墓からの出土品として、当時を知るうえで大変貴重な品となっている。火葬されたことが確認できる墓誌が出土したことから…

【東博150年】鵲尾形柄香炉

柄香炉は法会の際に僧侶が持ち香を焚く仏具。真鍮製で全面に金メッキがされていて、飛鳥時代に作られたものとは思えない輝きが残っている。火炉の縁裏に上宮という針書き、柄の裏に慧慈という朱書きがあり聖徳太子関連の香炉とされている。 レア★☆☆観たい★☆☆…

【東博150年】灌頂幡

寺院を飾る荘厳具の一つ。本堂など大きな建物内で、普段とは違う雰囲気を作るため天井から吊り下げて使う飾り付け。かなりの高さから吊るため、80センチほどの細工された板状のものを蝶番でつなげて仕上げる。つなげると5メートル以上になる。 この板への細…

【東博150年】竜首水瓶

ドラゴンヘッドというタイトルの漫画があったが、こちらはドラゴンネックの水瓶。 水瓶の造形を利用して注ぎ口を長く首に見立てて、蓋部分に竜の顔を付けることで手足のない竜に仕上げている。胴体に当たる貯水部分には有翼の天馬が刻まれていることから、シ…

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。