国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

2021-09-01から1ヶ月間の記事一覧

伝船中湧現観音像 竜光院

截金とは細金とも呼ばれ、金箔・銀箔・プラチナ箔を数枚焼き合わせ髪の毛よりも細く直線状に切ったものを、筆と接着剤を用いて貼り合わせて文様や図を表現する技法である。仏画や仏像彫刻などでも用いられており、平安時代の作品でも色あせることなく輝きが…

善女竜王像 金剛峯寺

高野山は夏が終わり、葉っぱがうっすらと赤みを帯びていた。いつの間にか名宝展も後半の3期が始まっていた。せっかく年間パスポートを買ったのに、真夏に行く機会を逸したので9月に入ってから見に行った。 後半の展示では前半にあったものがいくつかなくな…

【聖徳太子】扇面法華経冊子 四天王寺

大阪市立美術館で開催している聖徳太子展は1階だけでなく、2階でも展示が行われていた。官営寺院発祥の地だけあって、多くの仏像が展示されていた。その他にスペースをとっていたのが聖徳太子絵伝で、壁ぐらいの大きさに聖徳太子の一生を10幅に分けて描か…

【聖徳太子】四天王寺縁起(根本本) 四天王寺

1400年以上の長い歴史のある四天王寺だが、その存在を証明するものが四天王寺縁起である。四天王寺がどのような起こりで歴史を歩んできたかが書かれたものである。 それだけならば大きな寺院では大抵作られているのでよくて重要文化財止まり。四天王寺縁起の…

【聖徳太子】丙子椒林剣 四天王寺

大阪市立美術館で開催されている聖徳太子展の目玉展示は丙子椒林剣だ。巡回地のサントリー美術館では七星剣が展示される予定なので、四天王寺が保有する古代の剣2振りが会場を替えて登場する。 展示は入ってすぐの部屋の奥でしていた。懸守の展示が地味だっ…

【聖徳太子】懸守 四天王寺

聖徳太子遠忌1400年を記念した展示会で、法隆寺の寺宝をメインに据えた聖徳太子と法隆寺展は奈良と東京の国立博物館で無事開催された。東京は観に行けなかったが、奈良博で十二分に堪能した。続けざまに、聖徳太子所縁の寺院である四天王寺の寺宝を中心にし…

三重塔 明通寺

明通寺は国道27号を東小浜駅と新平野駅の間ぐらいで山道に入った山中にある。無料の駐車場を完備しているありがたいお寺で、駐車場から川を渡って見上げると山門が見える。渓谷の起伏をうまく利用していて、高台に山門、受付から緩やかな登りの先に本堂、…

本堂 明通寺

福井県小浜市は港町で律令時代が成立する以前から、日本海側の玄関口として栄えてきた。小浜から琵琶湖まで抜ける南北の街道は鯖街道と呼ばれ、海のない京都や奈良へ海産物を運ぶ重要な物流を担ってきた。海産物を都まで送った御食国のひとつとして、小浜を…

開山堂 永保寺

山中の木々を開いて池を作って庭園に仕上げた永保寺の観音堂に対して、開山堂は同じ場所にあるとは思えない静かに建っていた。 池泉式庭園を池に沿って半周した先に1本の道がある。開けた伽藍内にあって、木々が鬱蒼と茂っている奥に建物が見える。観音堂が…

観音堂 永保寺

歴代最高気温ランキングトップテンに入る岐阜県多治見市。2000年代に入り、最高気温ランキングは目まぐるしく変わり、浜松が現在ランキングは一位。それまで一位だった熊谷では日本一暑い町として売り出すに至っている。 多治見市も暑い町として売り出してい…

桜ヶ丘遺跡出土 銅鐸・銅戈 神戸市立博物館

東京オリンピック・パラリンピックが終わった。今回はパラリンピックのテレビ中継が多かった気がする。そこで、健常者スポーツでメジャーなものは各団体の世界大会に任せて(現に超一流選手が揃っていない)、パラリンピックとマイナー競技の大会にして、商…

伊能忠敬関係資料 伊能忠敬記念館

「伊能忠敬」展が神戸市立博物館で開催されていた。伊能図を上呈して200年を記念しての展示会となっている。子供連れが多く来ていたが、今やGoogleMAPがないと不便を感じる(昭和生まれの)スマホユーザーたちが、伊能忠敬の足跡と細かく書かれた地図を見…

【京の国宝】小桜韋黄返威鎧 厳島神社

京の国宝も後半戦へ突入。メインビジュアルとなっている俵屋宗達の風神雷神図屏風は1週間限定での展示だった。年始のアーティゾン美術館の企画展「琳派と印象派」でも感じたが、期間限定の作品がメインを飾っていると、特別展期間中はいつでも会えると勘違…

【京の国宝】金銀鍍宝相華唐草文透彫華籠 神照寺

京の国宝で一番見ごたえがあった展示は神照寺の金銀鍍宝相華唐草文透彫華籠16面と寺から流出した3面を合わせた計19面の一気展示だった。もともとは20面あり、ハワイへ旅立った1面は里帰りを果たせなかった。それでも一度に19面もの華籠が展示され…

【奈良博三昧】金剛般若経開題残巻 空海筆

奈良博三昧の国宝出品は通期展示を除くと前期が多くて、後期のみは辟邪絵と金剛般若経開題残巻だった。金剛般若経開題残巻は空海筆で、前期に展示のあった最澄筆の久隔帖と見比べたい逸品である。 最澄と違い空海は平安の三筆に選ばれるぐらい書の名人のイメ…

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。