国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

2021-08-01から1ヶ月間の記事一覧

【京の国宝】春日権現記絵 宮内庁三の丸尚蔵館

コロナ禍においては、移動制限がある中で文化財の審査作業に大きな影響が出ている。2020年3月に発表された新国宝は4件で、毎回指定替えを受けて開かれる東博での特別展は緊急事態宣言発令により中止となった。続いて同年10月にも八坂神社本殿が指定…

【奈良博三昧】木造薬師如来坐像

奈良博三昧は写真撮影がOKだった。展示会を振り返るために図録を買えばいいのだが、自分で撮った写真も思い入れがあって見ていて楽しめる。 あと、自分で撮れることから図録にはない、色々な角度からの写真撮影ができる。普段は見ることすら難しい仏像の背後…

【京の国宝】金銅密教法具 厳島神社

神社なのに密教法具がある。現代なら違和感があるのだが、神仏習合の時代は寺社と神社の区分が曖昧であった。 厳島神社のある宮島は大陸との交易で船が通過する重要な拠点である。なので、ここにはお宝が入った船が停泊する。それを狙った海賊にいつ襲われて…

【奈良博三昧】辟邪絵

奈良博三昧も後半戦に突入。前半が怒涛の国宝ラッシュだったことを思うと、被りもあり少し寂しい。しかし、奈良博でも屈指の人気を誇る辟邪絵が登場するとあっては観に行かない訳にはいかない。 辟邪絵は断簡となって5幅に分かれて保存されている。益田鈍翁…

【京の国宝】梵天坐像 東寺

京の国宝展のメインビジュアルを飾るのが東寺の梵天坐像。1階の彫刻が置かれている部屋には、いつもの安祥寺の五智如来坐像が中央にあり、その脇に大きな彫刻、ショーケースに入る小さな彫刻は正面に配置している。 東寺の彫刻と言えば兜跋毘沙門天が門外に…

【奈良博三昧】地獄草紙

国宝絵画の中で一番ファンタジーなものは草紙だろう。現実を誇張しすぎだものや、絶対にありえない事柄を恐怖心を煽る反面教師として描き上げる。見るものに強烈なインパクトを与えて、悪いことをさせない教訓的な巻物となっている。 その中でも地獄草紙は前…

【京の国宝】線刻蔵王権現像 総持寺

東博に常設されているイメージの強い国宝のひとつが総持寺の線刻蔵王権現像である。いつ行っても本館2階の13室金工部屋に展示されている。東博所有のものでないハズなのに、所有文化財以上に陳列されいる。 京博に場所を改めて観たのだが、残念ながら正面…

【奈良博三昧】牛皮華鬘

三昧展は東新館から西新館へ移動。渡り廊下には今回の展示会の注目作はどこにあるかを地図で示したものがあり、わくわく感が高まる演出となっていた。 西新館に入ってすぐの部屋は仏教の儀礼で使うものを展示。とくに密教の黄金に輝く鈷は見た目の美しさとは…

【京の国宝】宗峰妙超墨跡 「関山」道号 妙心寺

絵画ゾーンの次は書籍・典籍・古文書のゾーン。龍谷大学の類聚古集や 京都大学附属図書館の今昔物語集など京都の大学が保有している国宝が出ているのはかなり珍しい。一方で醍醐寺の宋版一切経や京都学・歴彩館の東寺百合文書は国宝指定の点数が膨大なため企…

【奈良博三昧】尺牘 (久隔帖)  最澄筆

今年は伝教大師・最澄の遠忌1200年に当たる年で、秋から来春にかけて東京・九州・京都の国立博物館を舞台に巡回展が開催される。仏教の殿堂としての奈良博ではあるが、最澄が建立した延暦寺は京都にあり、開催場所とはならなかった。 しかし、奈良博は伝教大…

【京の国宝】釈迦如来像(赤釈迦) 神護寺

京の国宝は3階から2階へ移動。まずは絵画部門を観る。 仏教絵画が中心になる中、十二天像4幅や十六羅漢像がいる。目を引いたのは釈迦如来像である。毎年5月の初旬に神護寺で行われる曝涼展では間近で観ることができたのだが、昨年今年とコロナの影響で公…

【奈良博三昧】蓮唐草蒔絵経箱

展示会企画で見ごたえがあった内容のひとつにサントリー美術館で開催された玉手箱を一堂に集めた特別展があった。漆塗りで黒光りした箱に金細工で花鳥風月を取り入れた絢爛豪華なものが列挙されていた。江戸時代には大名の嫁入り道具として金工細工を凝らし…

【京の国宝】三十帖冊子 仁和寺

1年遅れで開催した「京の国宝」は当初の京セラ京都市美術館から場所を移して京都国立博物館で開催することとなった。京都市美のリニューアルオープン記念だった展示会が京博へ移したことで、京博所有の国宝が展示されることとなり、総数で72件の展示となっ…

【奈良博三昧】刺繡釈迦如来説法図

奈良国立博物館は東大寺や興福寺、春日大社が隣接する奈良公園にある。この立地からも分かるように寺社仏閣の文化財を多く、蒐集・保管している。そんな奈良博が満を持して企画したのが奈良博三昧-至高の仏教美術コレクション-である。”至高の”と名付ける…

万葉集(金沢本) 前田育徳会

文武の誉れの次の部屋・第8展示室は「文」で統一していた。 加賀藩・前田家が百万石もの大大名なのに徳川家の嫌がらせによる配置換えや石高の召し上げがなかったのは、日本海側という江戸から遠い地の利だけでなく、文化面に力を注いだことが影響している。…

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。