2021-07-01から1ヶ月間の記事一覧
北陸新幹線が開業した2015年、東京から石川まで直通で2時間半となったことを記念して石川県立博物館で「加賀前田家 百万石の名宝」が開催された。前田育徳会の名品がほぼ網羅された展示会だった。そして、2020年オリンピック開催に合わせて企画され…
東博の国宝室では寛平御時后宮歌合の展示があった。 1200年前に行われた歌会の記録。左右1首ずつ組み合わせた短歌の優劣を競う行事で、日本人は紅白歌合戦のようなことを昔からしていた。歌会の記録では2番目に古いものだが、紙が茶色く色褪せているぐらいで…
国宝の中でも出るだけで目玉展示となるものが何点かある。たとえば金印はあの小ささなのに、拡大した図柄がパンフレットに必ず載る。興福寺の阿修羅像も人気が高まり出展されればメインをはる。そして、今回も展示会のメインを勤めることになったのは曜変天…
展示もいよいよ最終コーナー。3階の展示は国宝がぽつぽつとしなかった。それが階を下っての展示は中世の中国文化が中心になり、怒涛の国宝ラッシュを展開した。 一室に古文尚書、春秋経伝集解、文選集注、史記の4つが公開。後半のみの公開の毛詩はなかった…
三菱の至宝展で大きな展示物のひとつが屏風絵である。橋本雅邦の龍虎図屛風(六曲一双)と俵屋宗達の源氏物語関屋澪標図屏風の澪標図が並んで展示されていた。 龍虎図はともの二体ずつ描かれ、片方に空から睨む龍二体、もう片方に陸から迎え撃つ虎二体が描か…
三菱1号館美術館の三菱の至宝展の3階展示で一番広い部屋には屏風絵や彫刻など大型のものが展示していた。彫刻は慶派の木造十二神将立像で静嘉堂文庫が所有している名品を陳列。玉眼で筋肉質の立像で、どれも腰の括れ方がとてもよい。12体ある神将は東博…
三菱1号館美術館は赤煉瓦の重厚な作りである。室内にはマントルピースが各部屋にあり、それぞれが意匠を凝らして室内演出に貢献している。あくまでも実用的な建物であるため、展示施設として作られた建物ではありえないぐらい豪華な部屋になっている。 この…
京都の一番よい季節は桜の季節だ。秋の紅葉もよいが、京都の冬は底冷えするため、春になる喜びは一塩であるためだ。また、春は田植えが始まる前で、昔の人たちにとって秋の収穫時期に比べ余裕があった。浮かれまくった世相を屏風で楽しみたい。 レア ★★☆観た…
皇室の至宝たちも出品。木画経箱は東博の法隆寺宝物館で春先に展示されることが多い。デザインはひし形を箱の表面に張り付けていて、象牙と黒檀で意匠の強調を行っている。 レア ★☆☆観たい ★☆☆前期 tsumugu.yomiuri.co.jp
京の国宝を展示するのならば、鎮護国家を願う経典は展示必須だ。華やかな工芸品や歴史的な書跡が今に受け継がれたのも国の安寧を祈念しつづける僧侶が居たから。 レア ★☆☆観たい ★☆☆通期 tsumugu.yomiuri.co.jp
三菱の至宝展が五輪と共にようやく開幕した。三菱財閥が誇る3つの展示館(+銀行の研究所)が所有している名品ばかりを集めた夢の展示会がついに始まった。 そもそもは三菱財閥が誕生して150年を記念した展示会ではあったが、コロナの影響で延期となって…
熊野速玉神社古神宝類は貴族の信仰を集めたことから、いろいろなものが奉納されている。前期は桐蒔絵手箱・浮線綾丸紋様袍・小葵文様袷・小葵文様衵、後期は桐蒔絵手箱・小葵文様唐衣・海賦文様裳・雲立涌文様衵が展示される。 レア ★☆☆観たい ★☆☆通期(入れ…
同じ厳島神社所有の鎧ではあるが小桜韋黄返威鎧に比べるまでもなく非常に展示機会が少ない。綾威鎧が非常に珍しい形式で、数が残っていない。鎌倉後期の特徴なので、政権が室町幕府に変わったことを契機に旧世代の鎧形状となったのだろう。 レア ★★★観たい ★…
大袖などを繋ぐひもに小桜の文様があしらわれているワンポイント可愛い系鎧。年1回ぐらいどこかの展示会に出ているので、鎧の中では移動が多い逸品。 レア ★☆☆観たい ★☆☆後期 tsumugu.yomiuri.co.jp
京都四条の綾小路に住んでいた刀工が造った刀。鎌倉時代前期の作品で、政治の中心が鎌倉へ移った頃なので、京が政治的空白時代の国宝と言える。 レア ★☆☆観たい ★☆☆後期 tsumugu.yomiuri.co.jp
1年遅れで東博で開催された聖林寺十一面観音展は、特別5室という本館中心にある部屋での開催となった。本館は口型の回廊で常設展が開催されているので頻繁に訪れるが、口の字の真ん中に当たる特別5室は2階部分まで吹き抜けであまり使われない。今回の展…
飾剣は天皇から特別な許可を得なければ用いることができなかった。なので、超豪華に造られている上、数が少ない。平安時代に造られたもので、公家が儀式の正装時に帯びることができた。 レア ★★☆観たい ★★★後期 tsumugu.yomiuri.co.jp
空海が修行の場としたとされる安芸の宮島。平清盛が篤く信仰した厳島神社があり、毛利元就が下克上を果たした宮島の戦いと、歴史のキーポイントに登場する。明治以前は神仏習合の思想があり、宮島の自然が神様であり、仏さまでもあるだけでなく、修験道の修…
東寺は空海が起こした真言宗系の寺院だ。国宝彫刻群で作り上げた立体曼荼羅が有名で、それぞれが国内最高峰の仏像で作り上げたフォーメーションは必見である。ただ、彫刻群はあくまでも疑似世界で、リアルな人々とつなぐのが法具を用いた祈りの儀式である。…
京博の向かいにある三十三間堂からは二十八部衆立像の婆藪仙人・摩睺羅が登場。三十三間堂では圧倒的な数の前に、彫刻の一体一体までは観る気力がでない。個別展示ではじっくりゆっくり観ていきたい。 レア ★☆☆観たい ★☆☆通期 tsumugu.yomiuri.co.jp
厳島神社の宝物館はコンクリート造りでそこそこのスペースがあるが、こちらには国宝の本物の展示はない(すべてレプリカ)。秋に開催される特別展で会場を変えて国宝を展示する。ただ、スペースは狭く、少人数の会議室ぐらいのため展示点数が10点前後とな…
浄瑠璃寺の各仏像が修繕期間に入っている。その為、修繕の前後で展示されることが増えている。山奥にある寺院なので気軽に見に行けないのでありがたい。全部の修繕が終わった後に、寺院へ一度は見に行きたい。 レア ★☆☆観たい ★☆☆通期 tsumugu.yomiuri.co.jp
春日大社からは前期に毛抜形太刀・平胡籙・金銅尖矢・水晶鏑矢・蒔絵弓(沃懸地牡丹文)・蒔絵弓(松喰鶴千鳥文)、後期に山水蒔絵琴、金地螺鈿毛抜形太刀、菱作打刀が展示される。最近出来た国宝殿はスペースがそれほど広くない。今回の展示物の数ぐらいが…
総勢52名の菩薩オーケストラの2躯が展示。平等院では半数の26躯が常設展示されているので、会いに行けるアイドル集団でもある。仏像は立像にしろ、坐像にしろ、人々を導くため地に足をつけた重量感がある造りとなっている。一方で雲中供養菩薩像は彫刻で浮…
中国から持ち込んだものが国宝になっていることはよくある。しかし、ヨーロッパから持ち込まれたものの国宝指定はあまりない。その一つがポルトガル国印度副王信書。 聚楽第で、関白だった豊臣秀吉が謁見した時に受け取ったもので、豊国神社に伝わったものが…
2015年、醍醐寺所蔵の重要文化財・聖観音菩薩立像が、調査と研究でにより、尊名と伝来が判明。あらたに虚空蔵菩薩立像として国宝指定された。最近の指定される国宝では、補修や学術調査などで来歴が証明されて、改めて指定を受けることがよくある。しかし、…
東寺百合文書が一次資料の収集であるならば、東宝記は東寺の歴史をまとめた歴史書である。寺に関することが中心ではあるが、その時代に起こった出来事なども分かる。東寺で行われる特別展によく展示されている国宝だ。 レア ★☆☆観たい ★☆☆通期(入替あり) t…
京博に鎮座されて数年が経つ。安祥寺の五智如来坐像はいまや博物館の顔的な地位になっている。周りにどんな彫刻が展示されても金色の輝きが絶対的存在感を醸し出している。 レア ★☆☆観たい ★☆☆通期 tsumugu.yomiuri.co.jp
東寺百合文書は寺院に保管されていた奈良時代から江戸時代初期までの文章・24067通が一括で国宝指定されている。京都を守護するために入り口に建てられた東寺が集めた文章は京の宝に相応しい。京都では応仁の乱の時に戦火によって多くの被害があったため、文…
大日本沿海輿地全図は伊能忠敬という個人が足で稼いだ地道な作業が生んだ。そして、今年は幕府に上呈して200年の記念イヤー。京博でも観ることができるが、同時期に神戸市立博物館では大々的な伊能忠敬展が開催される。合わせて観ておきたい。 レア ★☆☆観た…