国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

2021-04-01から1ヶ月間の記事一覧

澤千鳥螺鈿蒔絵小唐櫃 金剛峯寺

霊宝館新館の彫刻が運慶・快慶の名作ぞろいで、高野山の三大秘宝の聾瞽指帰まで登場しているにも関わらず、まだまだ名品が陳列されている。 澤千鳥螺鈿蒔絵小唐櫃は千鳥の部分が螺鈿で細工されている蒔絵の櫃。国宝の螺鈿蒔絵の容器類に比べると派手さはない…

聾瞽指帰 空海

誰でもない24歳の青年が志を書いたものが、後に国宝へと変貌する。 空海となる前、佐伯眞魚が書いた書は仏教が一番だとするために、儒教と道教をディスって出家した決意書である。その後に苦難の末遣唐使として大陸へ行き、国内に戻っても京になかなか入るこ…

八大童子立像 運慶作 金剛峯寺

本館で武田信玄関連と仏画をおなか一杯に観賞した後、いよいよ新館へと行く。 高野山の仏像彫刻が屈指の名品揃いである理由の一つが、運慶と快慶の素晴らしい鎌倉彫刻を所有しているからだ。その真骨頂を1部屋ずつで体現した新館は圧巻であった。 まず、快慶…

阿弥陀三尊像 蓮華三昧院

高野山の霊宝館を訪れた日は大雨だったため、寺院を回る観光客はほとんどいなかった。しかし、霊宝館に国宝などお宝を観ることを楽しみにしていた人が若干来ていた。開幕日であったのだが、肌寒い気温と同様、待ちに待った熱気感はあまり感じあられなかった。…

阿弥陀聖衆来迎図 有志八幡講

観心寺の特別公開を見終えて、高野山へと向かう。 明治時代以前ならば歩いて1日かかると観心寺で言っていたが、モータリゼーションの発展により2時間弱で行くことが出来た。 標高が900メートルと山頂にある宗教都市・高野山。すでに桜の時期が終わった下界だ…

金堂 観心寺

観心寺には国宝が3点ある。観心寺縁起資材帳は残念ながらほとんど公開していない。如意輪観音坐像は特別公開の2日間。そして、金堂はもちろんいつでも見ることができる。ただ、せっかく金堂を見るのならば特別公開の日がおすすめである。 室町時代に再興され…

如意輪観音坐像 観心寺

昨年から続いているコロナ禍は1年経っても同じ状態だ。学習効果がなく、何度もループする対応となっている。1年経ったと言い切れるのは、観心寺の秘仏である如意輪観音坐像の特別公開日である4月17日と18日が来たからである。 今年の特別公開はコロナ対…

短刀 銘左/筑州住 (太閤左文字) ふくやま美術館

敗者の歴史はどの国でも残りにくい。時代を支配した勝者は自分色に染めるため痕跡を消すことが多い。まして約260年も続いた絶対的政権ならばなおさらである。 豊臣の痕跡の中で、比較的多く残っているのが土木関係である。川の改修工事や土塁、寺社仏閣建…

油滴天目茶碗 大阪市立東洋陶磁美術館

2020年秋に東博で開催された桃山時代をテーマとした展示会は大盛況で幕を閉じた。その余勢をかってか、大阪市立美術館では豊臣をテーマに展示会を開催している。ピンポイントの内容ではあるためか、こじんまりとした内容となっている。 入口付近にはこの展示…

向源寺 十一面観音立像

琵琶湖の湖東、長浜を中心とした地域は知られざる観音菩薩が各所に点在している。その魅力を発信していた東京・上野のアンテナ仏像館「観音ハウス」が昨年10月をもって閉館した。アンテナショップは数あれどアンテナ仏像館は聞いたことがない。滋賀でも彦…

唐門 三宝院

門跡寺院の三宝院が勅使を迎えるために作った出入口。普段は全く使わない門ではある。にもかかわらず、勅使に対して最高のもてなしを演出するためだけに贅の限りを尽くした。黒漆と菊と桐の紋を金箔で加工して、世の中で一番くっきりとしたコントラストをつ…

薬師如来及び両脇侍像 霊宝館

醍醐寺は僧侶の修行の場で山伏とも縁が深い。境内を抜けた先にある女人堂で入山の受付を済ませて山を登ると千年前の僧侶たちと同じ山岳修行の場まで登ることが出来る。上った先は上醍醐と呼ばれ、国宝や重要文化財クラスの建築物がある。その中心には薬師堂…

五重塔 醍醐寺

醍醐寺の象徴と言えば五重塔。その優美さは五重塔の中でも屈指である。 その理由はまず、五重塔が主役である。境内の敷地内にあるため、塔は他の建物と同列あるいは付属物として建てられている。四天王寺や薬師寺、法隆寺などの塔は伽藍配置の一部となってい…

金堂 醍醐寺

桜の名所は数あれど、歴史に名を遺す名所は醍醐寺がもっとも有名だろう。なぜなら、豊臣秀吉が朝鮮戦争を仕掛けた最晩年のイベントとして、醍醐寺において大花見大会を開いたためだ。九州平定後に開いた北野の大茶会に匹敵する催し物として知られている。 国…

本殿 石清水八幡宮

春です。桜の季節です。 今年の桜の開花は例年に比べてかなり早く、近畿圏では4月に入ると散り始めている。 石清水八幡宮のある男山付近には背割堤が近畿の桜の名所として紹介されることが多い。桂川、宇治川、木津川の合流地点で、堤に植えられた桜が川に…

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。