国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

2021-01-01から1ヶ月間の記事一覧

粟原寺三重塔伏鉢 談山神社

奈良博の常設展示の仏画以外はローテーションサイクルが短いので、以前見たものでも数年で再開できる。談山神社の粟原寺三重塔伏鉢も隔年で見ているような気がする。 塔の一番上にある飾り、相輪の支えになる鉢状のものが国宝の三重塔伏鉢である。現代ならば…

聖徳太子及び天台高僧像の慧思 一乗寺

奈良国立博物館の冬の企画展は「珠玉の仏教美術」である。奈良博が展示・企画する王道は仏教関連なので、その珠玉を集めた展示なので期待が高まる。しかし、珠玉のうちの仏像館は入れ替えのため休館中。片手落ち感は否めない。 おん祭の後期展示も開催されて…

興正菩薩寿像 西大寺

秋と冬に特別公開される秘仏・愛染明王坐像は30センチほどの小さな躯体にも関わらず憤怒の形相がはっきりと分かる総身真紅の仏像である。愛染堂の主であり、密教修法の中心的な存在である。 愛染明王が仏教的な中心とするならば、西大寺の歴史的な中心は興…

金光明最勝王経  西大寺

聚宝館は昭和35年に寺内の収蔵庫として建設された高床式鉄筋の什物収納・展示施設。写真では門の奥に見える白い建物がそれである。建築から60年が経ちかなり古い印象がある館内には壁際にぎっしりと仏像彫刻が並んでいた。重要文化財クラスがぼつぼつとあ…

金銅宝塔(壇塔) 西大寺

緊急事態宣言を受けて、京都では一部の特別拝観が延期になった。そこで、国宝巡りは奈良へと変更した。大きな茶碗で回し飲みをする映像でお馴染みの西大寺は毎年1月15日に新春初釜大茶盛式を開催してきた。15日が成人の日だった頃は成人式と茶盛式のニ…

山水図 雪舟等楊筆

「虎は死して皮を留め 人は死して名を残す」 そして、画家は死して絵を残す。 雪舟筆の国宝・山水図は牧松周省と了庵桂悟による賛が添えられている。牧松が賛を寄せて、雪舟の死後に了庵が賛を加えたことが文面で分かり、その内容から絶筆作品となっている。…

四季山水図(山水長巻) 雪舟等楊筆

毛利博物館で秋に公開される雪舟の四季山水図。同館では16メートルのすべてを一度に見ることができる展示スペースを備えている。岡山県立美術館では一度に見せるのか、それとも期間で巻き直しによる展示にするのか、気になるところだ。 レア★☆☆ 観たい★☆☆

慧可断臂図 雪舟等楊筆 

山水画の大家である雪舟だが、人物を中心とした作品でも国宝がある。慧可断臂図は達磨大師に弟子入りを希望していた慧可がその志の度合いを示すため自ら左腕を切り落して入門が許された場面を描いている。 自ら腕を切り落す残酷な場面であるはずなのだが、雪…

秋冬山水図 雪舟等楊筆

雪舟と玉堂―ふたりの里帰りのもう一人の主役は雪舟である。その中で東博所有の秋冬山水図は2月中のみの期間限定の展示となっている。展示している季節とぴったり合う雰囲気の水墨画である。また、80年以上に渡って行方不明だった倣夏珪山水図が出品される。…

凍雲篩雪図 浦上玉堂筆

岡山県立美術館で2月10日〜3月14日と短期間ではあるが岡山にゆかりのある国宝画家「雪舟と玉堂―ふたりの里帰り」が開かれる予定だ。国宝7点が出品されるようでぜひ行ってみたい。 浦上玉堂の国宝は凍雲篩雪図。川端康成が愛蔵していたもの。琴士、詩人…

鳳凰耳花生 銘万声 和泉市久保惣記念美術館

2019年秋に渋谷区立松濤美術館で行われた和泉市久保惣記念美術館の名品展。記念館が所蔵する陶器や日本画が出品され、楽しませてもらった。今度は所蔵館で観たいと思い、現地まで行った。 記念館は新大阪駅よりか関空の方が近い和泉市にある。電車だと泉北高…

根本中堂 比叡山

2020-21年のNHKゆく年くる年のオープニングを飾ったのは比叡山延暦寺だった。2021年6月4日に開祖である伝教大師最澄の1200年大遠忌を迎えるからだろう。比叡山延暦寺を総本山とする天台宗では、記念の展示会の開催を企画している。東博や九博、京博などへ…

五智如来坐像 安祥寺

京都国立博物館は旧館などの建物が重要文化財に指定されている。もちろん修繕しながら今日まで博物館として利用され続けてきているので、文化財修理展のりっぱな展示物とも言える。 修理展開催中の平成館1階中央部にある彫刻展示室のメインを飾る仏像は、各…

病草紙 京都国立博物館

韃靼人狩猟・打毬図屏風(複製) 京博所有の文化財の多くも修理の対象になっている。病草紙はいろいろな病気をグロテスクな表現を交えて描いている。それが今日的にはユーモアに見えてしまうのだがから、いかに現代がすさんだ世の中であるかを感じる。 さて…

三十帖冊子 仁和寺

文化財の修理・修繕事業は地味な作業の割に費用がかかるが、文化財保護には欠かせない事業である。最近になって、修理を終えた文化財を一挙公開する展示会が増えてきている。展示に耐えるまでに回復できたことと、展示することで少しでも修繕費の足しに出来…

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。