国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧

医心方 仁和寺

仁和寺は霊宝館で夏の特別展を開催している。「法親王が誓った 国宝孔雀明王」と題した展示会は国宝の孔雀明王図が出ていると期待していた。しかし、薬師如来坐像がお出ましになっている期間には展示がなく、残念であった。しかし、今回の展示は国宝以外の孔…

薬師如来坐像 仁和寺

疫病退散は国家課題で、解決するための原因が分からなかった昔の人は、仏に祈ることしかできなかった。国家鎮守の寺として多くの寺院が建てられているが、仁和寺もその一つである。 タイミングがよかったのか分からないが、2020年の春・夏・秋と、仁和寺…

渡海文殊群像 安倍文殊院

2014年に東博で行われた国宝展で、目玉展示のひとつであった渡海文殊群像の善財童子立像・仏陀波利立像は安倍文殊院に鎮座している。といっても本当は文殊菩薩の御付きなので、東征の下見に行ったということだろう。 釈迦三尊像では普賢菩薩とともに釈迦如来…

高松塚古墳

高松塚古墳の発見が昭和の古代史ブームの火付け役となった。1970年に村民により偶然発見された切り石はやがて世紀の大発見へとつながった。 1972年から本格的な発掘が開始され、翌年の1973年には特別史跡、されには1974年4月17日に国宝の指定を受ける。この…

キトラ古墳

奈良県明日香村は戦後にようやくパンドラの箱が開いた古代ロマン薫る村である。 戦前までは聖徳太子以後の文明が日本史として語られ、それ以前のもの、特に古墳に関する研究は現人神たちの領域のためできなかった。森鴎外も帝諡考を残すぐらい研究はしていた…

納涼図屏風 久隅守景

久隅守景の作品で一番最初に知ったのが納涼図屏風であった。そのため、ゆるキャラの画家なのに国宝に指定される稀有な人というイメージがあった。 ところが調べると久隅は狩野探幽の高弟で、狩野派の流れを汲む画家であった。そのまま行けば宮廷画家で大成功…

桜ヶ丘銅鐸・銅戈 神戸市立博物館

昨年リニューアル工事を終えて再開した神戸市立博物館。2020年はコートードル美術館やボストン美術館など、超メジャー美術館の特別展が開催される予定だった。しかし、コロナ禍のため中止となった。大型特別展が中止となったことで、神戸市立美術館はコレク…

伴大納言絵巻

4大絵巻物のひとつとされる、出光美術館が所有する伴大納言絵巻。(他は源氏物語絵巻、鳥獣人物戯画、信貴山縁起絵巻)なかなかお目にかかれず出品されない貴重な絵巻物である。 ほかの3つは定期的な特別展や貸し出しなどで数年待てばどこかで出品される。し…

普賢菩薩像 東京国立博物館

ぶらぶら美術・博物館の日本画10選で、時系列的に最初に紹介されたのが東博所蔵の普賢菩薩像である。 平安時代の作品にも関わらず、彩色がほとんど剥げ落ちずに残っており、大切に保管されてきたことが窺える。顔立ちは奈良時代に多く描かれたふくよかさは…

石山寺 本堂

駅から石山寺までの道中、新緑の季節も終盤となり琵琶湖を眺めながら綺麗に咲いたあじさいを愛でながら門前まで楽しく歩いた。梅雨の中休み、石山寺では特別な御開帳があった。 33年に1度、もしくは天皇即位の翌年に、天皇からの勅使が扉を開封した時のみ…

天橋立図 雪舟

火曜日20時、BS日テレで放送中のぶらぶら美術・博物館で4週にわたりコロナ対応の著名美術評論家が選ぶ10選を放送。第3段は「死ぬまでに見たい日本絵画10選!山下裕二×仏画の最高峰から琳派、若冲、隠し玉まで」と題して、日本画をピックアップ。この…

厳島神社

広島県の宮島といえば大鳥居が海に浮かんでいる風景が一番最初に思い浮かんでくる。ところが、令和の大改修に入ったため、大鳥居は全体を覆って工事されている。最近、覆っている布をシースルーにしたとニュースになったが、薄っすらと全景が分かるぐらいで…

雪松図屏風 円山応挙

白色は塗るためにある絵具である。金色は高価なので絵画ではピンポイントで使うことが多い。縁取りは墨でするのが水墨画など、既成概念をすべて壊してしまう作品が丸山応挙の雪松図屏風である。 松の木に積もった雪は下地の白い紙で色はなにも塗られておらず…

紅白梅図屏風 尾形光琳

尾形光琳が俵屋宗達をリスペクトしていたのは間違いない。風神雷神図屏風の模写を観れば明らかである。琳派の名前が光琳から取られてはいるものの、明治までの宗達の評価が低かった(光琳が高過ぎた)ことによるものであり、宗達あっての光琳の作風が誕生し…

風神雷神図屏風 俵屋宗達

屏風絵史上、最も有名な作品は俵屋宗達の風神雷神図屏風だろう。 風神と雷神の2人だけの空間に、浮遊感や対立構造、ユーモラスな表情までいろいろと詰め込んだ。空間美と神物描写の絶妙さから尾形光琳や鈴木其一が題材に選び、描いた傑作の原点である。 宗…

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。