国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧

洛中洛外図屏風 岩佐又兵衛

様々な鳥観図があるが、描かれている人々の一人一人が最も生き生きして描いているのは岩佐又兵衛の作品である。 いつの時代も首都である都にはあこがれを持つ。政治的な中心であるだけでなく、文化の発信拠点として人々を引き付ける。いまでこそ、交通インフ…

松林図屏風 長谷川等伯

日曜美術館の日本絵画15選には三の丸尚蔵館所蔵の狩野永徳作・唐獅子図屏風が選ばれている。安土桃山時代の傑作であり、狩野派の地位を確立した作品でもある。 その永徳に対抗心を燃やしていたのが長谷川等伯。狩野派が職人を集めて工房で制作するのに対し…

山水長巻 雪舟

作者が確実に分かっている国宝絵画の中で、6点も指定を受けているのが雪舟の作品である。水墨画界の巨匠にして、個性的が詰まっている。 水墨画の原点である中国に留学。その後、山口を小京都へと変貌させた大内家をパトロンとして作品を作り続けた。その傑…

一遍聖絵

新興宗教が拡大するにつれて、その開祖の自伝が書かれることがある。それが書籍だったり、絵物語だったりする。中世に起こり、現代まで続く有名宗教の開祖たちは絵巻物になって、その実績を伝えている。なかには国宝になっているものある。 その中で一遍聖絵…

山越阿弥陀図 禅林寺

観たことのない仏をどうのように表現するか。西洋東洋問わず様々な技法が用いられてきた。その一つが現実にあるもとと比較して描くことによって如何に仏が偉大かが分かる書き方がある。 山越阿弥陀図は大きな山を描いてその大きさに負けない阿弥陀仏を表現す…

伝源頼朝像

日本絵画の肖像画部門があれば、間違いなくナンバーワンの作品は伝源頼朝像である。髪の毛一本に至るまでの緻密な描写と、迫力ある大きさは掛け軸状の肖像画の多い日本画において他を圧倒している。ヨーロッパの肖像画に比べても、背景の派手さでは負けてし…

源氏物語絵巻

地上波や衛星でのテレビ放送で美術を扱う番組は多くはないが複数ある。そのなかで、歴史と格が最も高い番組はNHK・ETV(教育テレビ)の日曜美術館であることは疑いようはない。エンターテイメントよりで、分かりやすく美術を解説する番組とは一線を画…

慧可断臂図 齊年寺蔵

岡山出身の画家の展示会が2021年2月10日(水曜日)から3月14日(日曜日)に開かれる予定だ。 それだけなら普段でもありそうな展示会。だが、その画家は雪舟と浦上玉堂。「雪舟と玉堂―ふたりの里帰り」として岡山県立美術館で開催予定だ。玉堂の凍雲篩雪図と…

肥前国風土記

香川県立ミュージアムで文化財保護法70年の記念事業の一環で、肥前国風土記の展示が行われた。個人蔵の国宝で、滅多に展示されることがないが、コロナの影響で8日間の展示となった。 常設室1に入った正面に展示していた。肥前の文字が書かれた最初のページ…

琉球国王尚家関係資料

南国らしい華やかな色合いと細かな細工が特徴の琉球細工。中国大陸と日本との間で、それぞれのよい文化を貿易の中継地点として取り込み醸成した傑作である。 それらを生み出せたのは琉球が王国として独立していたことも一因となっている。最高級の琉球文化は…

刀 金象嵌銘長谷部国重本阿花押 黒田筑前守(名物へし切) 福岡市博物館

福岡市博物館は常設で国宝の金印を展示していることでおなじみ。そして、旧福岡藩主・黒田家伝来の家宝なども少しずつではあるが展示されている。 黒田家伝来の品で国宝の日本刀がある。名物へし切長谷部は織田信長から豊臣秀吉、黒田家へと下賜された由緒あ…

伊予国奈良原山経塚出土品

愛媛県には四国では最多の12件の国宝がある。そのうち、8件は大山祇神社が所有し、3件は松山市内の寺社建築となっている。それらは常設で見学が比較的容易であるが、奈良原山経塚で見つかった国宝はこのところ春秋の限定公開のみとなっている。 遺跡から見…

豊楽寺 薬師堂

三密は仏教用語で密教の三業の総称で、手に印を結ぶ身密、口に真言を唱える口密、心に本尊を観念する意密からなる。護摩を焚いて疫病退散を願うのならば三密をもって祈念しなければならない。一方で、現代の三密はというと、密室、密集、密接を避けること。…

桜ヶ丘銅鐸・銅戈群 神戸市立博物館

港町・神戸には洋風建築物がよく似合う。 明治初期に外国人居留地となった神戸は明治から大正にかけて港が見渡せる山際に多くの住居が出来た。その名残がある北野・異人館はおしゃれな洋風住宅が建ち並び、異国情緒を味わえる観光名所となっている。 市の中…

古今和歌集 巻第廿(高野切本) 高知県立高知城歴史博物館

土佐の高知は坂本龍馬で有名だが、古典で土佐と言えば土佐日記。紀貫之が土佐から京へ帰る道中を綴ったもの。国宝となっている2点は前田家伝来のものと、大阪青山歴史文学博物館が所有するものである。 では、高知の国宝はと言うと、山内家伝来の古今和歌集…

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。