国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

2020-04-01から1ヶ月間の記事一覧

十一面観音菩薩立像 聖林寺

昨年のゴールデンウィークは天皇陛下の即位に伴う祝日などが重なり長期の連休となった。日本全体がお祝いムードだった昨年から一変、今年はがコロナ自粛でどこにも出かけることができない。なので、連休明けに開催されるであろう展示会出品の国宝をピックア…

北条貞顕像 金沢文庫

行政からの発表で腑に落ちことがある。クラスターやパンデミックなどカタカナ表記にして、集団感染や感染爆発と日本語で伝える意識が薄い。横文字にすることで初耳となり、危険度が全く分からない。意図的に使っているなら、失策を隠すためな混濁表現を用い…

法華経一品経 観世音菩薩普門品 長谷寺

西国三十三所は観音霊場の巡礼である。なので法華経の観世音菩薩普門品はこの企画にはなくてはならない。 長谷寺は山の上に本堂がある。ただ、そこまでの登廊は急ではあるが屋根のある階段となっている。単なる山登りと違い歴史ある階段と屋根を見つつ登るこ…

興福寺金堂鎮壇具(金銅大盤・銀大盤) 東京国立博物館

興福寺の金堂鎮壇具は東博の常設展示ではおなじみ。毎年なんらかの形で見ている気がする。 明治の廃仏毀釈により、興福寺の財政はひっ迫し五重塔が売り出されたのは有名な話だ。また、五重塔の売り出し価格が相当安かったことを考えると、未来の国宝でも時代…

餓鬼草紙 京都国立博物館

病草紙は原因が比較的分かりやすい目に見える病について描かれている。一方で餓鬼草紙は目に見えない病気(食物の不作も含む)について描かれているのかもしれない。人は病気などの発生への恐怖よりも、先が見えないことへの恐怖の方が危機感を強く感じる。…

病草紙  京都国立博物館

現代の医療では治療が容易な病気でも治療体制と衛生環境が整っていない頃は人々の大きな悩みの種だった。歯痛や眼病、下痢など、ドラックストアーに行けば簡単に治療薬が手に入る今、病草紙を見ると滑稽に思える。ただ、この滑稽さは近代医療が確立する百数…

銅板法華説明図 長谷寺

数々のお経関連の国宝を見ているが、そのほとんどは紙に書かれている。千年以上前に作られた紙にも拘らず綺麗な形で残っている(残っているから国宝なのだが)のは見ていて感動する。 貴重な経典なのだから、紙のように劣化しやすいものでなく、別の形で作っ…

法華経方便品(竹生島経) 東博

竹生島にある宝厳寺は30番札所。平成25年から6年の歳月をかけて、国宝「唐門」及び重要文化財「観音堂」「舟廊下」の保存事業を行っている。本来ならば今年には保存修理作業を終えているはずで、ぜひ再訪したい場所である。 滋賀県は西武グループを作った堤…

粉河寺縁起絵巻 粉河寺

粉河寺縁起絵巻の見た目の特徴は上下の一部分が焼けてしまって失われている。絵を見る分には問題なく、絵巻物としての出来は素晴らしい。ストーリーは西国三十三所の3番札所である粉河寺の始まりと説話が描かれている。 後半の説話部分に出てくる長者は塩川…

宋版一切経のうち摩訶止観 醍醐寺

NHK・BSプレミアの中継で見た今年の醍醐の桜も例年通り美しかった。できれば訪れて見たかったが世相を鑑みると来年の楽しみにすることとした。 さて、このままでは会期を見ぬまま終えてしまいそうな西国三十三所展。醍醐寺からも国宝が出品されている。…

普賢延命菩薩像 松尾寺

京博で行われる西国三十三所展の目玉出品のひとつは、松尾寺の普賢延命菩薩像である。松尾寺に保管されている普賢延命菩薩像は春秋の期間限定で同寺院の宝物館で展示されることがある。しかし、この松尾寺が舞鶴市でもなかなか行きにくい場所にある。一応、…

廬舎那仏像 東大寺

奈良時代から続く国家安寧の法要。まさかネットで誰でも生で見ることができる時代がこんなに早く来るとは思っていなかった。 東大寺の廬舎那仏に疫病退散を祈念する法要は書物では知っていたし、東大寺で事あるごとに法要が行われていたことも分かっていた。…

六道絵のうち閻魔庁図 聖衆来迎寺

極楽に行くか地獄へ行くか、すべては閻魔様のお裁き次第。 死後の世界に行ったことのない人にも分かるように絵にしたのが六道絵で、地獄の怖さが随所に描かれている。全15幅が残っているが、本来は極楽編もあったそうだが、織田信長の比叡山焼き討ちの時に…

千手千眼陀羅尼経残巻(玄昉願経) 京都国立博物館

西国三十三所草創1300年記念の展示会が京都国立博物館で企画されている。西国三十三所巡礼は色々な理由をつけて御開帳が続いているが、1300年記念は大きな節目となる。 同展示会には国宝12件で、石山寺からの国宝出品はなかった。期待していただけに残念…

太刀 銘久国 文化庁

粟田口派の祖となる久国作である文化庁所有の太刀は各地の刀剣展へ出品されている。京の国宝という名がつくからには粟田口派の筆頭たる同刀もお目見えする。文化庁自体が京都へ移転することもあり、文化の発信地・京都での展示会成功のため、久国以外の出品…

絹本著色十二天像 京都国立博物館

密教では四天王とともに重要な護法善神が十二天である。四方八方を護る守護神として存在し、灌頂などの仏教儀式において用いられる。なので、重要な儀式でしか使用されないことが、貴重なものとして現代まで伝えることができた。一方で、儀式で使用していた…

紙本著色法然上人絵伝 知恩院

昨年の今頃は新元号の発表があり、お祝いムード満載だった。また、令和おじさんが誕生した記念すべき日であった。 ところが、1年年後の本日は自粛ムード一色。新型コロナウイルスの影響で多くのイベントが中止・延期となっている。京都国立博物館の企画展と…

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。