国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

2019-02-01から1ヶ月間の記事一覧

【平成指定】深大寺 銅像釈迦如来像

国宝の保有分布では東京都が多い。続くは京都、奈良になるがともに都が長くあった土地で、それゆえに多いのだろう。東京にある国宝の多くは東博や文化庁などの官公庁保有物が含まれることや、首都となった明治以降に地方の有力者が移り住んで持ち込まれたも…

【MAO美術館】手鑑

MAO美術館の太っ腹なところは基本的に撮影自由(借り物の美術品など一部は撮影NGあり)。 なので、国宝3点もルールさえ守れば取り放題。屏風や壺、彫刻といった単体ものは、じっくり見ることで特徴が記憶になんとか残るだが書跡は文字が太か細いか、楷書か草…

【MAO】紅白梅図屏風 尾形光琳

MAO美術館の国宝3点一挙公開の目玉は紅白梅図屏風である。左に白梅、右に紅梅を配して、屏風の中央に川が流れる表現を金をうまく使って表現している。川の流れは雄大にも関わらず、梅の枝葉が鋭利に躍動しているので早さを感じる。梅が咲き、春になる速さ…

【顔真卿】説文木部残巻 

王羲之を越えたと喧伝している顔真卿展。中華圏の国宝中の国宝である祭姪文稿が来日しているとあって、注目度では王羲之展を越えたかもしれない。とくに祭姪文稿を見るための行列は直筆の王羲之の書(存在が確認されていないそうだ)が見つからなければ超え…

【MAO美術館】色絵藤花文茶壺 野々村仁清

熱海にあるMAO美術館は3年前にリニューアルして以来、冬の時期に所有する国宝3点を一度に見せる展示会を開催している。 熱海駅からバスで数分。山道を登った海が望める見晴らしの良い場所に美術館はある。バス停入口からはエスカレーターを乗り継ぐ必要…

【平成指定】正倉院

国宝の指定はほぼすべて重要文化財の中から選択される。重要文化財は国の大切な財産で、数多く指定を受けているので、その中から選ぶのが最も効率的であるためである。しかし、重要文化財でないにも関わらず国宝指定を受けたものがある。正確に言えば、重要…

【平成指定】旧東宮御所(迎賓館赤坂離宮)

もっとも最近に造られた国宝はなにか。それは迎賓館赤坂離宮である。明治42年にのちの大正天皇が皇太子の頃に建てられた住まいで、それを外国の要人を迎えるための迎賓館にしたものである。 すべてが洋風で、細部にわたってこだわり抜いて作られた建物であ…

【平成指定】慶長遣欧使節関係資料

国宝指定で海外産のものはそう珍しくない。ただ、ほとんどが大陸文化、つまり漢字文化圏の美術品だ。輸入相手が大陸であったことに由来し、必然的な面がある。 だが、国宝の世界でも国際化が進んだのが平成だ。伊達家がヨーロッパに派遣した支倉常長たちご一…

【平成指定】婚礼調度類(徳川光友夫人千代姫所用)

嫁入り道具が国宝になる。いまや死語となりつつある嫁入り道具。形式的なものは残っているものの、昔のような”嫁に送る”ため、家具などの一揃えを買って持っていくことはなくなった。少し大きな都市に行けば格安家具屋は道路沿いにあり、食器類も100円均…

【醍醐寺展】絵因果経

昨年、東京のサントリー美術館で開催された「醍醐寺展」が九州博物館で巡回展として開催されている。 真言宗系の展示会は仁和寺展、大報恩寺展があり、今春には東寺展があるなど積極的に開催している。真言宗が歴史的に天皇家に近いことから貴重な文化財が多…

【平成指定】旧富岡製糸場

平成になって国宝指定が毎年のようになされてきた一つの要因は世界遺産指定にあると思う。旧富岡製糸場は05年に国の史跡、06年に重要文化財の指定を受け、14年に国宝となった。その前年に日本産業革命の原点として世界遺産の認定を受けている。 世界遺産とな…

【平成指定】島根県加茂岩倉遺跡出土銅鐸

すでに知られた文化財が国宝へと昇格するのはなんらかの理由が必要だ。しかし、これまで知られていなかった文化財ならその価値だけで国宝へと上り詰めることができる。加茂岩倉遺跡出土銅鐸は96年の掘削工事中に発見された。銅鐸39口と日本最多であることと…

【平成指定】青井阿蘇神社

この夏に訪れた青井阿蘇神社は熊本県初の国宝。その時にも書いたが、国宝指定に対しての喜びようが半端ない。ちょうど10周年だったこともあり、神社には周年記念の垂れ幕が上がる。ほかの国宝も見習ってほしいぐらいの歓迎ぶりだ。 さて、平成になり神社とし…

【平成指定】瑞龍寺

97年に国宝指定を受けた瑞龍寺は富山県初の国宝である。高岡駅からほど近く、北陸新幹線の新高岡駅からも歩いて行ける距離にある。 荒野だった「関野」という地を、加賀藩2代目藩主の前田利長が整備して出来た高岡。利長の死後、家臣団はすぐ金沢へと引き上…

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。