国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

金堂 醍醐寺

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桜の名所は数あれど、歴史に名を遺す名所は醍醐寺がもっとも有名だろう。なぜなら、豊臣秀吉朝鮮戦争を仕掛けた最晩年のイベントとして、醍醐寺において大花見大会を開いたためだ。九州平定後に開いた北野の大茶会に匹敵する催し物として知られている。

国宝を観て回る以前は醍醐の桜がとても綺麗だから開催したぐらいにしか思っていなかった。しかし、国宝を観て回る内に、貴族出身で醍醐寺座主の義演と秀吉の政治的結びつきを知ったため、政治的なショーが強いイベントだったことが分かった。花見は口実で醍醐寺に有力者を集めて権力を見せつけるだけでなく、義演に対しての政治的なアピールにもなっている。

さて、訪れた頃の桜だが早咲きの枝垂れ桜は散っていたが、ソメイヨシノは満開で入口から三門までの桜は零れ落ちそうなぐらい咲き乱れていた。境内に入ると台風の影響で倒木した木々が切り倒されていた。金堂までの短い道のりは開けた道となってしまい、以前の木々で視線が遮られて神秘感のあった雰囲気は全くなくなっていた。

国宝の金堂は秀吉が平安時代後期の建物を移築の確約をして、息子の秀頼の代になった1600年に落慶した建物。中には重文の薬師如来と日光月光両菩薩に四天王のそろい踏み。仏像たちは少し遠い位置なのが残念だった。

本殿 石清水八幡宮

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春です。桜の季節です。

今年の桜の開花は例年に比べてかなり早く、近畿圏では4月に入ると散り始めている。

石清水八幡宮のある男山付近には背割堤が近畿の桜の名所として紹介されることが多い。桂川宇治川、木津川の合流地点で、堤に植えられた桜が川に沿って綺麗に咲き乱れる。上空からの写真のアングルが最高なので満開の時期には関西の夕刊に掲載されるケースが多い。

さて、石清水八幡宮の本殿が国宝指定を受けて5年が経つ。指定されたての頃は初々しさもあったが、いまや堂々とした国宝建築物に見える。桜に合わせて境内には出店がちらほら出ていて、普段よりも晴れな雰囲気が漂う。

弥陀堂 金蓮寺 

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名古屋から岡崎へ出て、岡崎城の桜を愛でた。その後、名鉄へ乗って吉良吉田駅へ。住宅と畑が入り混じる道を歩くこと20分弱で金蓮寺に着いた。

和歌山の善福院を訪れた後に行ったので、国宝建築物があるにも関わらず案内板が全くないのが違和感だった。町の人には国宝があっても案内する必要がないと思えるぐらい当然のことなのかもしれないが、観光客には初めての土地で不安しかない。到着後でも国宝なのか疑うぐらい普通の寺院である。

そんな金蓮寺だが開放感は半端ない。まず、外観は見ることができるのは当然として、表から中の阿弥陀三尊像まで見ることが出来る。それだけでなく、拝観料を誰もいない回収箱に入れると中まで入ることが出来る。格天井の内部には阿弥陀三尊像しかないシンプルな造りで、お祈りの場としてのみ活用される造りとなっている。源頼朝三河国の守護を任せた安達藤九郎盛長により建立された歴史がはっきりしているお堂であり、名古屋などの都心から離れているため、戦国時代から昭和にかけての戦火とは無縁だったことが国宝となった要因である。

 

懸守 四天王寺

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聖徳太子遠忌1400年記念展示会が開催される2021年。この聖徳太子の数々の伝説のひとつで、その地位を確立した事変が物部氏との戦に勝利したことだ。廃仏派の筆頭で武を司る地位にあった物部氏が、崇仏派であった蘇我氏と戦い、蘇我氏に味方した聖徳太子が勝利に貢献した。その時に勝利した暁には四天王を祀る寺院を作ると願をかけたことから出来たのが四天王寺である。

この四天王寺は日本最初の官営の寺院であり、推古天皇社会福祉政策の実行機関でもあった。時代が経ってからも空海親鸞などのそれぞれの時代の仏教界の巨人たちが聖徳太子に帰依した。そのため、現在まで大阪の中心にあってもなお、四天王寺は大寺院として存立してきた。しかし、戦争の空襲では絶好の的となったため、ほとんどが火災に遭い、建物はコンクリート製で再建されている。

遠忌である2022年4月8日まで、カウントダウンとなった今年の寺宝展春では懸守が登場。いつもの通り宝物館2階で特別企画は開催されていた。国宝は階段上って奥のスペースに陳列されることが多いが、今回は階段横のスペースに展示してあった。俵型のお守りで持ち運びを前提に造られている。可愛らしいお守りなので、四天王寺でそれに似せたものを作ったら売れると思う。今年一年の四天王寺寺宝展が楽しみになる出だしであった。

聖徳太子および侍者像 法隆寺

聖徳太子は存在していない。歴史研究が進むにつれて新たな学説が提唱され、教科書への記載修正へと発展している。個人的には聖徳太子という存在について、神がいるかいないかに近い論争に思う。

ということで、厩戸皇子聖徳太子)の遠忌1400年を記念して奈良博と東博で大々的な展示会が開かれる。622年4月8日に亡くなってから1400年が経ち、その間紆余曲折があったにせよ日本で信仰され続けた。その信仰の象徴として具現化された文化財たちが集結する。

なかでも法隆寺秘仏である聖徳太子および侍者像は聖霊院に安置され、年に数回しか厨子が開かれず、開かれても奥まった場所なので非常に見えにくい国宝彫刻となっている。今回の展示会の目玉展示物であり、メインビジュアルにもなっている。個人的な見どころは侍者で、結構ユニークなお顔立ちをしている。しっかり見ることができる機会なので、それだけでも行く価値はある。

 レア ★★★

観たい ★★★

tsumugu.yomiuri.co.jp

鳥獣人物戯画  高山寺

約1年待っての開幕が迫っている鳥獣人物戯画のすべて。4巻の絵巻物を一度にすべてを公開するダイナミックな展示方法は楽しみしかない。そこに、ベルトコンベヤー方式の人間自動搬送機を設置して、滞留を防ぐ試みまで発表されていたがコロナで順延となっていた。

鳥獣人物戯画は漫画の原点とも言われ、絵の表現のみで動きが分かるようになっている。言葉がなくとも伝わることから、インバウンドの観光客でも分かりやすい展示なので、多くの人が楽しめるはず。だが、この時期だから国内在住者のみが見ることができる。昨年の今頃は人混み覚悟で観に行く覚悟を決めていただけに、少しはゆったり見ることができるかもしれない。

レア ★☆☆

観たい ★★☆

chojugiga2020.exhibit.jp

釈迦堂 善福院

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JR和歌山駅から御坊方面行きに乗り、無人駅の加茂郷駅で下車。歩いて30分ぐらいで国宝の釈迦堂のある善福院へ着く。グーグルマップを使って行ったので迷うことはなかったが、ところどころにある案内板だけでは絶対に迷っていた。

釈迦堂は栄西により創建されたとされる唐様仏殿で、鎌倉時代を代表する建築物となっている。訪問した時期はブッダが入滅した涅槃会があったので、仏殿内には大きな涅槃図が掲げられていた。堂があるだけなので観光には不向き。

散策コースしたら、周りでミカンやポンカンなどの柑橘類が実りの季節となっていて、農作業に精を出す姿がちらほら見受けられた。田舎町ではあるが道中は住宅が途切れなかった。柑橘王国の和歌山だけあり、千両みかん御殿が多く建っていた。

国宝は2017年10月3日~11月26日が会期で無事終了した。 この展示会に出ていない800件以上の品々も見ていきたい。