世紀の祭典、毘沙門祭が始まった。奈良国立博物館の東新館と西新館の1室での開催で、37件とやや少数の展示となっている。ただ、中にユニット参加もある。その一つが今回の絶対的センター、鞍馬寺の毘沙門天立像である。
鞍馬寺のものは東新館の中央にあり、善賦師童子・吉祥天立像を従えての展示となっている。大きさは大人の男性ぐらいの大きさ。遠くまで見渡す雰囲気を出すため左手を額に当てた敬礼ポーズが印象的。まさに従者と武人といった感じだ。お顔は四角く武骨。鎌倉時代のものは男前が多かったのに比べて、平安期のものは恐怖感を植え付けるイメージに仕上がっている。
従者を従え、十分な展示空間があった鞍馬の毘沙門。センターとしての特別扱いではあるが、隣に外国帰り(なんとロサンゼルス!!)で2メートル近い毘沙門天の方が人を集めていた。みなさん毘沙門界の黒船の珍しさに目移りしっぱなし。